上位打線、守備力…17年ぶり最下位の要因は? データで今季を振り返る【阪神編】
投手力には定評も…グラウンドに飛んだ打球をアウトにする割合は12球団最下位
シーズン前の解説者による順位予想では、広島に次いで2番目に多く『優勝』と予想されていたものの、その期待を裏切って17年ぶりの最下位に沈んでしまった阪神タイガース。低迷のペナントレースにおける得点と失点の移動平均を使って、チームがどの時期にどのような波に乗れたかを検証してみます。
移動平均とは大きく変動する時系列データの大まかな傾向を読み取るための統計指標です。
グラフでは9試合ごとの得点と失点の移動平均の推移を折れ線で示し、
得点>失点の期間はレッドゾーン
失点>得点の期間はブルーゾーン
として表しています。
上下動が激しく、全体的にブルーゾーンが多くを占めるグラフです。交流戦後すぐの16得点(6/27)、9得点(6/29)、15得点(6/30)が連なった時期や、9月上旬の12得点(9/2)、11得点(9/5)、13得点(9/6)と打線が爆発した時期のグラフの盛り上がりはありますが、それに寄り添うかのように上昇する失点グラフ。大きな連勝ができず星勘定に苦しんだシーズンを物語っています。
パークファクターの影響はあるものの、それを差し引いてもFIP3.82、被本塁打127、奪三振率8.34はリーグ1位で、相変わらず投手力に定評はあることが示されています。しかしながら平均失点が4.39で巨人に次ぐリーグ2位に甘んじているのは、やはり守備力に難がある証拠。グラウンドに飛んだ打球をアウトにする割合であるDER67.2%は12球団最低。大和が抜けた守備陣の穴は今年も修繕されることはなかったようです。