「具体性」「実践」をキーワードにユニークな催し…日本野球科学研究会
野球に活かす古武術と打撃の科学的解析 対照的なワークショップ
午後からは、2つのワークショップが行われた。
筑波大学T-DOMEでは、びわこ成蹊スポーツ大学スポーツ学部の高橋佳三教授が、「野球に活かす古武術」と題し、古武術の中で野球に活かすことのできる要素をピックアップして実技を交えて紹介。特に「トレーニング以前に備えていたいこと」として、姿勢(構造)の力や集中(集注)と身体の感じについて、選手の体を使って、具体的に説明した。会場にはマットが敷かれ、参加者は自身で体を動かしながら、追体験していた。
SPEC1階フロアでは筑波大学体育系の小池関也准教授によって「力検出型センサーバットによる打撃動作の分析」が紹介された。
野球の打撃動作では、左右の各手によってバットを操作している。従来、左右の手がどのように力やモーメントに作用しているかはわからなかったが、今回、各手による力やモーメントを計測可能なセンサーバットを開発し、硬式野球部員による打撃動作の分析を披露した。
野球選手が実際にどのようにバットを扱っているかが、データと波形グラフによって具体的に紹介された。
2日目の様々なイベントに共通するのは「実践」「具体性」だった。様々な分野で野球にかかわってきた参加者にとっては極めて刺激的な体験となったはずだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)