野球人の道は様々 台湾、豪州での生活を経てチェコリーグに挑戦した鶴巻氏
海外で得た考え方と思い「周囲の目を気にすることがなくなった」
こうしてチェコでのプレーを終えて帰国した鶴巻氏。日本人が少ない環境の中で得たものを聞くと、力強い言葉が返ってきた。
「周囲の目を気にすることがなくなりました。チェコでは自分の考えをはっきり伝えなければならなかったので、自分の思い、得た情報を自分で発信する大切さを学びました」
野球への不完全燃焼の想いからアジアンアイランダースへの入団を決め、その数か月後には数少ないチェコ野球経験者となった。鶴巻氏自身は「挑戦」によって野球だけではなく、人生においても新たな選択肢を得たことになる。来季からは独立リーグ堺シュライクスの一員としてプレーする鶴巻氏は、最後に次世代の選手へ次のメッセージを送った。
「国内に限らず海外でプレーする選手が出てほしいと思います。ぜひ挑戦し続けてください」
今や野球選手にとってNPBや独立リーグ、社会人などプレーする場の選択肢はあるものの、決して道は1つだけではない。今年は16歳の結城海斗投手がロイヤルズと契約、パナソニックに在籍した吉川峻平投手がダイヤモンドバックスへの入団を決めるなど、日本人選手が海を越えてプレーする事例が増えている。鶴巻氏も彼らのように、野球人に新しい選択肢を提供する貴重な存在だ。
(豊川遼 / Ryo Toyokawa)