古川は7時間授業、練習2時間だけで東北大会4強…21世紀枠候補9校の推薦理由は?

高野連が来春選抜の21世紀枠候補9校を発表
高野連が来春選抜の21世紀枠候補9校を発表

東北大会ベスト4入り、東日本大震災の復興ボランティアに毎年参加

 日本高野連は14日、来春の第91回選抜高等学校野球大会の21世紀枠の候補校9校を発表した。21世紀枠は練習環境、地域貢献などを選考条件に、各9地区から推薦された。ここでは9校の推薦理由を紹介していく。今回は東北地区の古川高校だ。(主催者発表文より一部抜粋)。

 1897年に宮城県尋常中学校志田郡立分校として開校し、今年で創立122年目となる宮城県北の拠点校であり、進学校。かつては男子校だったが、2005年の県高等学校再編計画に伴い、男女共学となった。校章は「蛍雪の功」の故事にちなみ、蛍と雪を図案化した「蛍雪章」。校訓は、質実剛健・学問尊重・自主自律。

 野球部は1923年から夏の選手権大会に参加。最高成績は1971年で、県代表決定戦を勝ち抜くも、福島代表と戦う東北大会決勝で、全国準優勝する磐城に敗れて甲子園出場を果たせなかった。現在の野球部は、文武両道を実践して毎日7時間授業を受け、練習は平日2時間程度と短いながら、集中して緊張感のある練習を行っている。

 茂泉公己監督は今年4月に母校に着任。選手に「真剣にひたむきに練習に励むこと」「意思を持って主体的に行動すること」「執念を持って勝負に臨むこと」浸透させ、それまで低迷していたチームを夏の宮城大会ベスト16に導いた。

 新チームとなった秋はバッテリーを中心に宮城大会準優勝。東北大会でもベスト4入り。野球部員は学校内でも礼儀正しい挨拶とともに、学校行事の準備・設営や駐車場係を率先して行うことで高い評価を得ている。また、東日本大震災の被災地である塩竃市の野々島での復興ボランティアに毎年参加している。2015年9月の関東・東北豪雨により、地元の大崎市古川の渋井川が決壊し、多くの住宅が被害を受けたが、いち早く野球部が後片付けのボランティアに駆けつけ、地域から賛辞を得た。

 東北地区役員会の選考では、各県候補校の推薦理由書を確認したあと、各県理事長が推薦校をプレゼンテーションを行った。第1次選考で2校に絞られ、補足説明などを加味しながら、最終的に東北地区候補校が古川に決まった。

(松倉雄太 / Yuta Matsukura)

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