堂林翔太と下水流昂―広島4連覇へのキーマンは“後がなくなりつつある”2人

長打力が売りの下水流「あとは確実性を上げること」

 関係者の誰もが認める、チームきってのタフさを誇るのが下水流だ。

「練習だけは広島はどこにも負けません。だからその中でも一番練習してやろうと思っています。とにかく振って振りまくる。特に秋の練習は少しぐらい痛いところがあっても、その後にケアできる時間がある。振ることで新しいことを感じる部分もあるし、さらに強いスイングができるようにやっているだけですよ」

 秋季キャンプ、過酷な振り込み練習をいくらこなしても、下を向かず、疲れたそぶりも見せず次のメニューに挑む。周囲からは「下水流は本当、元気だね」と声をかけられ、それに笑顔で答える姿が日常である。

 下水流は王道とも言えるコースを歩んできた。出身は神奈川県横浜市で横浜高OB。高校1年からベンチ入りし、3年春の選抜大会では4番を打ち全国優勝。同学年には中日の福田永将、2学年上にはロッテ涌井秀章らがいる。進学した青山学院大では2年春と4年秋にベストナイン獲得、通算13本塁打。社会人の名門Hondaを経て12年ドラフト4位で広島入団した。

 プロ入り後は俊足、強肩、強打の外野手として大きな期待をされ、1年目で初安打を記録しCS出場。しかしその後は2軍での生活が主に続く。転機になりそうだったのは16年。交流戦後に1軍で活躍し48試合出場で5本塁打、リーグ優勝にも貢献、さらなる飛躍が望まれた。だが、以降もコンスタントな活躍はできず、印象深い18年7月20日、巨人戦でのサヨナラ本塁打以降も際立った結果は出なかった。

「やっぱり僕の長所は長打力だと思う。昔から遠くへ打球を飛ばすことには、多少自信もあった。プロでもそれで勝負したいので、あとは確実性を上げること。わかっているんですけどね。だからこそサヨナラ本塁打の後が大事だったんですけど……」 

 自身のセールスポイントはよくわかっている。言ってみればそれまでのアマチュア時代は、それだけでも良かったのかもしれない。しかし、プロという最高峰の舞台でカベに阻まれているのも事実である。

「正直、うちの外野陣の層は本当に厚いと思う。そこに割って入るのは本当に難しい。だから一塁の練習もやっている。だから丸が移籍したことは、チームとしては痛いけど、本当にチャンス。僕もそこまで若くないし、レギュラーをつかみとりたい」

2人の活躍は広島にとっても大きなチャンスに

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