鷹・松田宣、異例の背番号“復帰”を決めたワケ「ここからもう1度やってやる」
「熱男!」パフォは継続「これだけ根付いてきたものなので…」
覚悟を持っての背番号再変更だった。18日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行ったソフトバンクの松田宣浩内野手。2015年オフに結んだ4年契約が最終年を迎える来季に向け、ある決断を下した。それが、2017年から2年間背負ってきた背番号「3」から、プロ入り後11年背負った「5」への再変更だった。
背番号の変更はよくあることではあるが、一度離れた番号に戻すというのは珍しいことと言える。そこには、松田宣なりの思いがあった。2015年に打率.287、キャリアハイの35本塁打94打点をマークした松田宣。翌2016年も2年連続で全試合出場を果たしたが、打率は.259、本塁打も27本に留まった。
心機一転「憧れ」だった、かつて松中信彦氏が背負った「3」に背番号を変えた2017年。3年連続全試合出場も、打率.264、本塁打は過去2年を下回る24本に留まった。今季は3年ぶりに30本塁打を超えて32本塁打を放ったものの、打率はルーキーイヤー以来の低さとなる.248。32本塁打82打点で不振と言っては失礼かもしれないが、物足りない成績であったことは事実だ。
現に、快音が止まっていたクライマックスシリーズ途中で、スタメンから外され、広島との日本シリーズでも三塁で主に起用されたのはキューバ人助っ人のグラシアルだった。この日の交渉後にも「クライマックスシリーズ、日本シリーズと出られなかったという思いが強い。2019年絶対やってやるという思い。打てなかった、結果が出なかったのは自分の責任なので、自分に対して腹が立つというか、2度とこういう思いはしたくないという思いが芽生えましたし、ベンチにいることで、もう1度常に試合に出たいという思いも芽生えました」と率直な思いを口にした。
そんな中での背番号変更。松田宣自身も原点回帰という意味で、背番号を戻すことにした。「契約もあと1年ですし、もう1度ここからやってやる、初心に戻ってやるという思いで、背番号を戻させてもらいます」。4年連続全試合出場を続けているものの、ここ数年、自分自身で満足いく成績が残っていない。その自分にプレッシャーをかける思いもあり、球団にわがままを言った。
一方で代名詞となった「熱男!」のパフォーマンスは、今後も続けていく。「オフになって、全国で、優勝旅行先のハワイでも、松田というよりも『熱男の人でしょ』と、言われることが多くなった。これだけ根付いてきたものなので、打たないと『何やってるんだ』となると思う」。盛り上げとともに、こちらにも自分自身へのプレッシャーをかける意味がある。
1月には例年通り、常夏の島グアムで自主トレを行う。来年は2年目となる吉住晴斗投手、周東佑京外野手の2人も伴い、走り込み中心のトレーニングに汗を流す。「イキのいい選手とやることで、僕も気持ちが入るし、妥協しないで出来ると思うので。いいものにしたいと思っています」。このままでは終わらない、終わらせない。松田宣の2019年にかける思いは熱い。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)