現役引退、1軍コーチ就任のロッテ根元 3年目の殊勲打は「オレ、やっちゃったよ!」
第2の人生は指導者「プロは技術だけではなく人としても模範とあるべき」
現役時代から大事にしてきたのは人間力。技術はもちろん大事だが、プロとして人間力が大事だと思って生きてきた。人としてどうあるべきか。その点ではいつもブレなかった。自分にも他人にも厳しい男だ。
「野球を辞めてからの人生の方が長い。今は野球をやっていればいいと思うかもしれないけど、そうではない。多くの人に見られるプロは技術だけではなく人としても模範とあるべき。マリーンズの選手はしっかりしているなあと言われるように指導をしていきたい」
2018年9月27日、根元は引退を発表した。そして10月7日のホークス戦。本拠地にて引退試合が盛大に行われた。あの日、先輩たちに祝福され抱き合い、初めてのお立ち台に導かれた若者はいつしかベテランと呼ばれる存在となっていた。
試合後のセレモニー。場内一周をする際にライトスタンド前で立ち止まり、耳を澄ました。スタンドのファンは根元のために応援歌を歌い続けていた。こんなにスタンドから近い距離で自身の応援歌に耳を傾けるのは初めてのこと。一生忘れないようにと目を閉じ、聞き入った。応援歌は愛に溢れていた。「俺たちとこのチームで、いつまでも根元 今こそ見せてくれ 勝負に賭ける思いを」。
根元はファンに愛されユニホームを脱いだ。人間としてどうあるべきか。自らが貫いた姿勢が評価されていたからファンは慕い応援をした。幸せな野球人生はこれから第2章に突入する。人生はこれからの方が長い。
(マリーンズ球団広報 梶原紀章)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)