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【肘と野球】成長期の練習過多は百害あって一利なし 体の防御反応“痛み”を見逃すな

高校野球における球数制限導入の声が高まる中、それよりも若い中学生や小学生でも各所で球数制限を取り入れる動きが広がっている。ボーイズ、リトルシニア、ヤング、ポニーなど主要な少年硬式野球団体で構成する日本中学硬式野球協議会では、2015年に投球制限に関する統一ガイドラインを制定。

肘の成長戦の年齢での違い【写真提供:慶友整形外科病院】
肘の成長戦の年齢での違い【写真提供:慶友整形外科病院】

大人と同じ硬い骨になるのは、日本人は15歳前後

 発育期の骨には、その端に成長をつかさどる軟骨層がある。X線写真ではこの部分が線状の細い隙間として見えるため「骨端線(成長線)」と呼ばれている。日本人の場合、大体15歳以降になると骨端線が消え、大人と同じ強度の骨となる。つまり、少なくとも高校生になるまで、骨はまだ成長過程にある未熟なものと言える。

 この段階で、投球などによって繰り返されるストレスや練習過多で起こる代表的な肘の障害が、離断性骨軟骨炎(OCD)と呼ばれるものだ。いわゆる「野球肘」の1つで、痛みとともに肘の骨が変形したり可動域が狭くなったりする症状が現れる。適切な治療が行われなければ、最悪の場合は野球ができなくなることも。野球から離れた後も、肘の曲げ伸ばしができずに日常生活に支障をきたす場合もある。

 今、勝つこと。今、レギュラーになること。今、速い球を投げること。子供たちに「今」結果を求めるがために、将来の野球人生ばかりか、日常生活にも悪影響を生み出すことは、大人にとっても本意ではないはずだ。「プロ野球選手になりたい」「メジャーリーガーになりたい」と願う子供たちが、1人でも多く夢を叶えられるようサポートするために、指導者や保護者といった大人たちは、まず子供たちの成長や体について理解を深める必要がありそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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