鷹退団の攝津が引退表明 表情晴れやか「悔いなく終われました」

引退会見に臨んだソフトバンク・攝津正【写真:藤浦一都】
引退会見に臨んだソフトバンク・攝津正【写真:藤浦一都】

2012年の沢村賞右腕「今まで本当にありがとうございました」

 昨季限りでソフトバンクから戦力外となっていた攝津正投手が8日、ヤフオクドーム内で会見を行い、現役引退を正式に表明した。10年間の現役生活に別れを告げ、ユニホームを脱ぐことを決めた右腕は「本日をもちまして引退のご報告をさせていただきたいと思い、来ました。今まで本当にありがとうございました」と語った。

 今オフに戦力外通告を受け、現役続行を模索して他球団のオファーを待ったものの、声はかからなかった。自身の中で12月いっぱいを期限に決めていた。「自分の中では厳しいだろうというのはありました。ただ、可能性が少しでもあればやりたいと思っていた。不安もありましたし、モヤモヤした気持ちで過ごしていました。それ以上待つというのは現実的に。シーズンで活躍するのが目標で、活躍するのが難しいというのがあって、12月中でと決めました」。ただ、言葉を並べる攝津の表情は晴れやかで「10年という短い選手生活でしたけど、満足してますし、後悔も悔いもなく終わることができました」と語った。

 秋田経法大付高からJR東日本東北へ進み、2008年のドラフト5位でソフトバンクに入団した攝津。150キロに迫る真っ直ぐと両コーナーを突く精密なコントロールを武器に1年目から大活躍した。中継ぎで70試合に登板して34ホールドをマークし、最優秀中継ぎ投手と新人王を獲得。2年目も71試合に登板して38ホールドを記録して2年連続で最優秀中継ぎ投手となった。

 3年目の2011年には先発に転向すると、26試合で14勝。初の2桁勝利を記録すると、2012年には17勝で最多勝、最高勝率に輝き、沢村賞も獲得した。2011年から2015年まで5年連続で2桁勝利をあげ、2012年から5年連続で開幕投手を任された。長年の勤続疲労もあり2016年以降は2勝が最高。昨季も7試合に先発して2勝4敗に終わり、オフに戦力外を通告されていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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