なぜ広島を1年で自由契約となったブレイシアを…世界一Rソックスの補強“秘話”
「ライアンは本当に『ただ投げたい』という感じだった」
記事では、ブレイシアの35~40球のピッチングを間近で見たペック氏が、確かな手応えを感じていたことが記されている。「ニーズにフィットするかどうかなんだ。ブレイシアは我々にフィットすると思った」と。さらに、実際の印象について同氏は「目立ったのは彼の肩の強さだった。彼のように1月に94~95マイル(約151~153キロ)を投げるベテラン投手は通常見られない。通常は88~89マイル(約142~143キロ)であり、どのくらい投げられるのかはグレーゾーンとなる。この男が健康であるということに関して、グレーゾーンは少なかった。それが目立った」と明かしている。
ブレイシアの“アピール”は見事に成功。レッドソックスのスカウトが、獲得に向けてライバルが現れるのではないかと心配するほどの出来だったという。ただ、結局は1か月経っても獲得球団は現れず、レッドソックス入団に至ったと、特集では伝えている。
マイナー契約で米復帰を果たした右腕は、開幕は傘下3Aポータケットで迎えたものの、34試合登板で2勝5敗13セーブ、防御率1.34という圧倒的な成績を残して7月にメジャー昇格。レッドソックスでも34試合に投げて2勝0敗10ホールド、防御率1.60とマイナーとほぼ変わらない成績を残し、地区制覇に貢献した。そして、プレーオフでも計9試合に登板し、許したのはわずか1失点というパフォーマンスを披露。レッドソックスは世界一へと駆け上がった。
ペック氏は記事の中で「彼は『これが必要だ』や『これが欲しいんだ』ということを言わなかった。ライアンは本当に『ただ投げたい』という感じだった。それで、彼は自信を持っていると感じた。彼は自分の投球で証明する準備ができていると言っていた。そうした点で彼は本当に魅力的だった」と1年前を振り返っている。昨季の活躍から、クレイグ・キンブレルがFAとなった今季はクローザー候補にも挙げられているブレイシア。サクセスストーリーは、まだ始まったばかりなのかもしれない。
(Full-Count編集部)