エキスパート表彰で殿堂入りの権藤氏「一世一代の晴れ姿」
投手分業制を確立「(肩の酷使で)痛みの苦しみは凄い」
公益財団法人野球殿堂博物館は15日、平成31年の野球殿堂入りを発表し、「エキスパート表彰」で横浜ベイスターズ(現DeNA)元監督の権藤博氏の殿堂入りした。昨年は80票(65.6%)で次点だった権藤氏は102票(76.7%)を獲得。当選必要数100票(有効投票の75%)を上回り、候補11回目で殿堂入りとなった。
「一世一代の晴れ姿。自分を謙虚に褒めてやりたい」と感激した権藤氏。元中日投手として活躍し、実働5年で通算82勝をマーク。入団1年目の1961年にはチーム試合数の半分以上、実に69試合に登板、44試合に先発して35勝19敗という驚異的な成績をマークし、沢村賞、新人王を受賞。「権藤、権藤、雨、権藤、雨、雨、権藤、雨、権藤」という流行語まで生まれた。
投手コーチとしても手腕を発揮。監督としても横浜で38年振りのリーグ優勝、日本一に導いた。「選手、ファン、皆さんに助けられた。選手に恵まれ、運がよかった」と権藤氏。プロ野球に中継ぎ、抑えと分業制を確立させたのも権藤氏とされ「(肩の酷使で)痛みの苦しみは凄く、選手の痛みがわかる。(分業制は)時代の流れ。一人では勝てない。みんなで力を合わせ、選手がそれに応えてくれた」と感謝していた。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)