ロッテドラ2東妻が見せた探究心 3日連続ブルペン入りした理由とは…
“魂のエース”を彷彿とさせる気合の雄叫びも「あれがいつも通り」
ロッテのドラフト2位ルーキー・東妻勇輔投手が、19日に3日連続でブルペン入りした。新人合同自主トレでは計5度目となるブルペンで、初めて捕手を座らせて31球を投げ込んだ。
この日もロッテ浦和球場の室内ブルペンでは「オリャー」、「オッシャー」という東妻の雄叫びが響き渡った。“魂のエース”と呼ばれた黒木知宏氏を思い起こさせるような熱さが、こちらにも伝わってくるような投球だったが、この気合いに関しても「あれがいつも通り」とのことだ。
決して勢いに任せて投げているわけではなく、熱さの中に冷静さも併せ持っているのが東妻の特徴だ。スライダーを投げた後に首を傾げ、「自分の思ったところにいかなかったので、もう何球か投げて感覚的なところを確かめた」と、4球連続でスライダーを投げ込んでいったところからも、その落ち着きと探求心が伺えるところだ。
そして、30球目を投げ終えたところでキリよく練習を終えるわけではなく、最後にもう1球追加した。その理由は「納得いくように終わる、というのが僕の中での理想。最後の1球が納得いかなかったので投げたというだけですね」というものだ。
ブルペンでの投球練習が終わった後には、すぐに中溝雄也ブルペン捕手に自分の投球内容を確認しに行った。「今日の球の感じだったり、変化の動きを聞きました」という。その中溝捕手は、ルーキー右腕のピッチングについて「悪くはないですね。実戦向き。ボールも強い」と評価している。
3日連続のブルペン入りとなったが、東妻は「疲れはありますけど、それほど沢山投げられないというほどではない。ただ、シーズンに入ったらそういうことは多々あると思います。今は調整の段階ですけど、1回負荷を上げてもいいのかなと思いました」と、既にシーズン開幕後のことを見据えているようだ。
21日から始まる第3クールに向け、「キャンプも近くなってくる。即戦力として見られていると思うので、早く実戦で投げられる状態に持っていくための体作りをしていきたいと思っています」と意気込む。情熱と冷静さを兼ね備えたドラフト2位ルーキーは、開幕1軍入りに向けて今後も飽くなき向上心を発揮してくれそうだ。
(「パ・リーグ インサイト」岩下雄太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)