「海にゴミを行かせない」元1軍投手も参加するロッテの「LTO活動」とは?
営業という立場から見た「元プロ野球選手」という経験のメリット
引退後は2年間にわたってマリーンズ・ベースボール・アカデミーのテクニカルコーチとして小学生たちを指導し、18年からは球団職員に転身。現在は「おもてなし担当」と名乗り、先述のLTO活動や球団のおもてなしプロジェクトに取り組んでいる。上野氏と同様にロッテ一筋の現役生活を送り、2017年限りで現役を引退した古谷拓哉氏と黒沢翔太氏も昨年から球団職員へと転身しており、上野氏とは形を変えて再び”同僚”となった。
「元選手が球団職員になるっていうのは(ロッテでは)ずっとなかったことで、山室社長が初めてセカンドキャリアの道を開いてくださいました。(古谷氏、黒沢氏は)球団職員としては同期なので、『今後、僕たちのような元選手からの道を閉ざさないようにもっと頑張っていかないといけないよね』と3人でよく話しています」
こういった転身のメリットについて、大石氏は営業の立場から「元選手だからこそ持っている武器」を次のように語っている。
「例えば、営業でお客様の元に行った時に、『元選手』という肩書きは非常に強い武器だと思います。1つのことを徹底的にやり抜いた経験はビジネスにも通じる部分があるので、どこの企業も欲しいと思います。そんな方々が去年、3人も入ってくださったのはすごい力になりますよね」
上野氏が持つその「武器」は、すでに球団職員としての活動にも活かされているようだ。
「ZOZOマリンでプレーしていたので、嬉しいことに僕のことを知っている方がすごく多いんです。『あの上野かな?』と思ってくださっている方もいるので、僕のほうから声をかけて距離を縮めて、LTO活動やイベントに参加してもらいたいと思っています。もっと僕からお客様に寄り添っていき、身近な存在でありたいです」
12月9日に湘南で行われたLTO活動の合同イベント「LTO WINTER EVENT2018」では上野氏がキャッチボールを行う機会もあった。「直前に言われたのでとてもびっくりしたのと、現役を離れて数年経っていたので、ちょっと不安はありました」と当時の心境を振り返りながらも、次のように話してくれた。
「子供たちも多かったので、軽く投げただけでもみんな『おおっ』っていう反応をしてくれました。数分間だけでしたが、少しは楽しんでもらえたのかなと。サッカーやバスケットボールのファンの方もいましたので、少しでも野球の魅力が伝えられたと思います。そのような、野球振興もどんどんしていければなと感じました」