ハム栗山監督、スローガン「驀進」に込めた思い「突き抜けていかなきゃ」

今季のスローガン発表会見に臨んだ日本ハム・栗山英樹監督【写真:石川加奈子】
今季のスローガン発表会見に臨んだ日本ハム・栗山英樹監督【写真:石川加奈子】

「怒涛のごとく、みんなで馬がガーッと前に突き進む」

 日本ハムの栗山英樹監督が24日、札幌の球団事務所で今季のチームスローガンを発表した。3年ぶりのリーグ優勝、日本一を狙う2019年は、社内公募の中から選んだ言葉「驀進」(ばくしん)。指揮官はそこに込めた意図を明かした。主な一問一答は次の通り。

「今年はファイターズにとって、本当に大きな意味を持つ1年になると思っています。(23年開業の)新球場というものが前にあり、去年は北海道で大きな地震を含めて災害がありました。いろんな大変なことや苦しみなど前にある全ての壁を壊して、突き抜けていかなきゃいけないシーズン。驀進という言葉を使って前に進んでいこうと思います」

――最初に文字を見た時の感想は?
「僕の中ではとにかく前に進むイメージがある中で、馬という字が飛び込んできました。怒涛のごとく、みんなで馬がガーッと前に突き進む。一人で突き進むシーズンではなく、みんなで力を合わせるシーズン。そういう意味では、誰がなんと言っても前に進むんだという驀進という言葉は、言葉の意味も、響き的にもいいと思いました」

――自らが馬の先頭に立つイメージを重ねた?
「一人で走れるものではなく、みんなで足し算じゃなく掛け算にして、大きい力にして走れるかというものだと思う。みんなが一つの方に走り始めるための方向性、あそこに行こうぜみたいな、その道だけ作れればいい。こっちは後ろからみんなが走っているのを見ているのが理想だけど、そんなものを全く無視して自分が一人で走らなきゃいけない時もあると思う。一人で群れを外れて、そっちじゃねえんだと思ったら走らなきゃいけないだろうし。そういう覚悟を持ってやっていかなきゃいけない」

――前に進まなきゃいけないというプレッシャーを感じているのでは?
「監督になって8回目ですけど、これだけ皆さんの大きな期待のもとにシーズンをスタートさせるのは経験がない。こういうプレッシャーのかかり方は初めて。それをプレッシャーと捉えるか、大きな力に変えられるか」

――キャンプを前にして今の気持ちは?
「やらなければいけないことを今まで以上に明確にしないといけない。どうしても情に流されている自分がいるというか。選手の気持ちは大事にしますけど、チームとしてやらなきゃいけないことの判断が今年は非常に重要になると思っているので、自分がやらなきゃいけないことの整理だけしっかりしていきます」

――監督を丸7年経験して引き出しは増えたと思うが、逆に難しいと思う部分は?
「今言った選手との距離感が近くなっているところがあって、選手たちの気持ちだったり、プレー環境だったり、こうしてあげたいなとか、選手がやりたいことが分かってくることが多くなっているのでね。本当の意味で選手に優しいってどういうことなのか。選手のためになることがどういうことなのかを整理しないと、こっちがそれに引っ張られてしまう状況があるので。それが長くやっている弊害だと思いますので、そういうことのないようしっかり整理してやります」

――驀進というスローガンで臨む今季、どんなシーズンにしたいか?
「この言葉が示すように行ききらなきゃいけない。とにかく日本一しかないので。必ず日本一を獲る、それだけを考えてしっかりやります」

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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