今季は二塁専念? それでも大きな西武外崎のユーティリティ選手としての価値
二塁手スタートが濃厚だが、ユーティリティとしての価値は変わらない
西武はこのオフ、浅村が退団したため、今季外崎は二塁手として起用されることが濃厚なようだ。これによりチームは二塁手の能力を大きく落とさずに済むが、代わりに昨季外崎が守っていた外野のポジションが空いてしまう。浅村退団のダメージは避けられない。
だが二塁に固定されるかという状況でも、外崎がユーティリティ選手である価値は失われない。もし外崎が外野を守ることを完全に辞め、二塁に専念するのであれば、西武は空いた外野のポジションに控え外野手を繰り上げ出場させるという選択肢しかない。しかし外崎が外野を守れることで、二塁に良い選手が現れれば外崎を再び外野で起用する選択肢をとることができるのだ。
NPBはMLBに比べ出場選手登録枠が広く、ベンチ入りできる野手が多いため、各ポジションに専門的な野手をベンチ入りさせることができる。このような事情もありこれまでユーティリティ選手が脚光を浴びることは少なかった。しかし今回紹介したようにこうした選手を保有することによるメリットはNPBでも大きい。外崎の存在により今後数年、西武はより強力なチームを編成しやすい状況をつくることができるだろう。
(DELTA)
DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。