Dバックスが通算189セーブのホランドと契約合意 平野佳寿の起用法に影響か
かつての最優秀救援投手を補強、クローザー候補の一人になる可能性も
ダイヤモンドバックスが、ナショナルズからFAとなっていたメジャー通算189セーブの救援右腕、グレッグ・ホランド投手との1年契約に合意したと米メディアが報じた。年俸350万ドル(約3億8000万円)で、インセンティブ(出来高)も最大350万ドルが付いた契約になっているという。平野佳寿投手の起用法にも影響がありそうだ。
ホランドの契約合意については、名物記者のジョン・ヘイマン氏が自身のツイッターでレポート。これを受け、米最大の移籍情報サイト「MLBトレード・ルーモアズ」は「ダイヤモンドバックスがグレッグ・ホランドと契約する」とのタイトルで伝えた。正式契約に向けて、ホランドが身体検査を残していることにも言及している。
ホランドは2012年にロイヤルズでクローザーに定着すると、翌2013年から2年連続45セーブ以上をマーク。2014年は46セーブで、新設されたマリアノ・リベラ賞(ア・リーグ最優秀救援投手賞)の初代受賞者となった。2015年も32セーブを挙げていたが、9月に右肘靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けて離脱。そのままオフにFAとなったものの、2017年にロッキーズでメジャー復帰すると、ナ・リーグ最多の41セーブを挙げた。
昨季はカージナルスで開幕を迎えたものの、32試合登板で防御率7.92という不調で戦力外に。その後、ナショナルズと契約すると、24試合登板で防御率0.84と復調をアピールしてシーズンを終え、FAとなっていた。
「MLBトレード・ルーモアズ」は「現在33歳のホランドは、球界で最も支配的な救援投手と考えられていたかつてとは、違う投手となっている。実際、彼が本当の救援の柱としてプレーしたのは2014年のことだった。彼はその後のシーズンに肘を故障し、球速を取り戻すことはなかった」と指摘。以前ほどの力はないと伝えつつ、「カージナルスとは契約を春の終わりに結び、酷いパフォーマンスだったけれども、ホランドはシーズン終盤にナショナルズで復活した」と昨季のパフォーマンスについて記している。
さらに、獲得したDバックスが「本格的にかつての姿を取り戻すことを期待しているわけではない」ものの、「依然として試合終盤に登場する優秀な投手となりうる」と期待していることにも言及。「ホランドの起用に関して具体的なプランはまだ明らかになっていないが、抑えのポジション獲りの本格的なチャンスをこの春に得ることになっても、なんら驚きではない」と、クローザー候補の一人になる可能性もあると予想している。
現時点で、Dバックスのクローザー「最有力候補」はアーチー・ブラッドリーだという。もっとも、昨季までのセットアッパーについては「よりフレキシブルな役割で力を発揮できる」と指摘。米メディアでは、昨季終盤にクローザーを任された平野の名前も候補として挙がっている。ホランドの状態次第で、プランは変わってきそうだ。
記事では「遥かに安い契約となっているため、ダイヤモンドバックスが(投資が失敗に終わった)カージナルスと同様の後悔が最終的に残ることになるとは、想像しがたい」とも言及。年俸が抑えられているため、“ローリスク・ハイリターン”の契約だと見ている。Dバックスにとっては、メリットのある補強となってほしいところだろう。
(Full-Count編集部)