「やらないと上がれない」―定位置争いへ燃えるオリ高卒2年目・西浦の“本気”
高卒1年目の昨季にプロ初安打&初盗塁、先輩の宗にも「絶対に負けられない」
高卒2年目ながら1軍キャンプに抜てきされたオリックス・西浦颯大(はやと)外野手は、1軍定着&レギュラー奪取へ燃えに燃えている。
昨季は10月1日の楽天戦でプロデビューし、藤平尚真投手からプロ初安打をマーク。2試合出場し、6打数1安打の打率.167、1盗塁を記録した。プロに入って初めてのシーズンオフは、1軍で戦い抜くための肉体改造の時間に充ててきた。「シーズンが終わってからもトレーニングをずっと続けてきました。年末に帰省しても、地元(熊本)でトレーニングは欠かさずにやってきました」。高校時代から筋力トレーニングは趣味と言えるほど意欲的にこなしていたが、1軍で戦うためには肉体強化が必要――。このオフ期間で体重は昨秋68キロから4キロもアップした。
万全な状態で大阪に戻り、2月の春季キャンプを迎えるはずだったが、1月半ばに胃腸炎にかかり、体重が4キロ落ちてしまった。「せっかく秋から増やしてきたのに……」とリセットされた体重にショックを隠せなかったが、その後にチーム施設でトレーニング。何とか2キロ増量した。
大きくした体も自身が使いこなせば意味がない。このキャンプでは体幹を安定させるためにチューブを巻いたトレーニングで体のバランスを重視している。50メートル5秒9の俊足は魅力だが、バッティング面はとにかくすべての底上げがテーマ。「どんな球種でも対応できるようになりたいです。簡単なことではないと思うんですけれど、やらないとはい上がれない」と語気を強める。
昨年まで内野手登録だった5年目の宗佑磨選手が今季から外野手に転向し、1軍キャンプで共に汗を流す。「外野手としてずっとやってきた自分としては絶対に負けられない」。定位置争いへ本気だ。17年ドラフト6位でオリックス入り。2年春から甲子園に4度出場した高校時代は細身な体が目についたが、徐々にたくましくなってきた体つきに、今年は何かをやってくれそうな雰囲気が漂っている。
(沢井史 / Fumi Sawai)