中日松坂にアクシデントも難しい“線引き” 与田監督は複雑「選手を守らないと」
松坂を気遣う「数日間、本人も悩んだんでしょうから。それも可哀想」
中日は11日、松坂大輔投手が数日前にファンと接触した際に右腕を引かれ、その後、右肩に違和感を覚えているため、しばらくの間ノースロー調整が続く予定だと発表した。ファンサービスに定評のある松坂のまさかの形での“負傷”に与田剛監督も悩ましい胸の内を明かしている。
松坂に加えて、2軍調整中のドラフト1位ルーキー根尾昂内野手も加入し、連日多くのファンが詰めかけている中日キャンプ。一方で、一部ファンのモラルを問われる行為もあり、4日には球団公式HPで転売目的でサインを求める行為に及ばないように「お願い」する文章も掲載していた。
そんな中で、松坂にまさかの出来事が起きてしまった。与田監督は「もちろん、起きてしまったことに関しては、今後、他の選手への防止策を用意しなくてはいけないのかなと。だからといって、ファンの方との接触を一切禁止するということも、当然ファンの方もそんなこと思ってないわけだし、選手自身も何とかサインをしてあげたいという中で起こったことなので。その状況を全く見てないから、上手く伝えることはできないんですけど、とにかく事故の内容に、そういうふうにしていくしかないですよね」と複雑な思いを明かした。
選手、スタッフ、球団は、キャンプ地に来て大きな声援を送ってくれるファンの思いにできるだけ応えたい。だからこそ、“線引き”は難しい。数日経って報告してきた松坂の気持ちも指揮官は痛いほど分かる。
「説明を受けて、ここで松坂を責めるつもりも当然ないですし、僕からはとにかく一日でも早く治す、どういう形がいいのかというのをチェックして。まだ本当に詳細が出てませんからね。それが出てから、という考えになると思うんですけど。
本人の中でもうまく治るんじゃないかとか、痛みが消えるんじゃないかとか、本当に起きた瞬間にとんでもない事故になったわけではない。そんなに厳しくは考えてなかったと思うんですけど。数日間、本人も悩んだんでしょうから。それも可哀想だなと思います。本当に不慮の事故という形になると思うので」
そして、与田監督は「(ファンに)ぐんと引っ張られただけで手は持っていかれることはありますから。非常に難しい問題ですけど、とにかく選手を守らないといけないので、球団とも相談していきながら、いい方法を考えないといけないですね」と続けた。
これで松坂のプランが狂ってしまったことは確かだろう。ただ、与田監督は「どうしても『遅れる』という見方をされるんですけど、1年143試合を我々は見て戦いますから」と話す。「支配下選手、育成選手を含めて1年間の中でどう戦っていくかという、そこは長年やってきた中で我々の経験でやっていかないといけない」。経験豊富な松坂にも焦ることなく、調整を続けてもらいたいと願っているようだ。
(Full-Count編集部)