マリナーズ指揮官、6歳下イチローのキャンプインに驚嘆「アンビリーバブル」
51歳サービス監督「15分打撃投手をしただけで体が痛い」
マリナーズのイチロー外野手が16日(日本時間17日)、メジャー19年目のキャンプインを迎えた。現役最年長45歳とは思えぬ体の仕上がりと、今季にかける思いについて、マリナーズのスコット・サービス監督は「アンビリーバブル。イチは準備万端。誰より真剣モードだからこそ、プレーし続けられる」と感嘆の声を上げた。
現在51歳の指揮官とイチローは、わずか6歳離れているだけ。練習前の会見で地元記者から「ご自身が45歳の時、同じことができたと思うか?」と問われると、「そんなに昔の話じゃないだろ? イチローよりそんなに年上でもないのに」と笑いながら、「できるとは思わない」と完全否定。「15分打撃投手をしただけで体が痛い」と苦笑いすると同時に、「体を動かし続けられるように、彼が本当に本当によくここまで自分を律することができるのは、アメージングとしか言いようがない」と大きな賛辞を送った。
イチローが“フロント入り”した昨季、サービス監督は定期的にイチローの意見に耳を傾けたという。「2、3週間に一度はイチローとミーティングを開いて、チーム状態を聞いたり、特定の場面について意見を聞いた。彼は私とは全く違った視点を持っているから」と、イチローが持つ独特の野球観に刺激を受けた様子。また、深い会話を重ねたからこそ「彼にとっては試合に出てチームに貢献することがすべて」と現役へのこだわりも理解している。
再建中のチームには数多くの若手選手が集まる。45歳ベテランとは親子ほど年の離れた選手もいるが、「イチローは素晴らしいお手本。若手選手はその姿を見て、目から鱗が落ちる思いをするだろう」と、イチローの野球に対する真摯な姿勢が与える好影響にも期待した。
指揮官が「最高であり、とびきりの存在」と一目置くイチロー。プロ28年目の春が、いよいよスタートした。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)