菊池雄星ブルペンで38球 憧れイチローや380発打者に感激「まだ野球少年」

西武・菊池雄星【写真:田口有史】
西武・菊池雄星【写真:田口有史】

課題のスライダーに手応え「すごくいい状態で投げられた」

 マリナーズの菊池雄星投手が16日(日本時間17日)、米アリゾナ州ピオリアの球団施設で今キャンプ2度目のブルペン投球を行った。速球やスライダーなど合計38球を投げた左腕は、課題だったスライダーについて「すごくいい状態で投げられました」と好感触。その一方で、この日からキャンプインしたイチロー外野手や通算380本塁打を誇るエドウィン・エンカーナシオン内野手の姿に感激したことを明かし、「野球選手なんですけど、まだ野球少年だと思いました」と初々しい笑顔を浮かべた。

 前回のブルペン投球では、スライダーに課題を発見したことを受け、この日は握りをマイナーチェンジした。日米ではボールが違うことは知られているが、菊池はメジャー球は「山(縫い目)自体は高くなっているんでしょうけど、感じ方として幅が広い。僕は低く感じた」と説明する。ボールの縫い目が指に掛かる感覚を求めて変えた握りでは、ボールが大きく変化するようになったが、「前みたいにカット気味に小さく曲がった方がいいのか。今度BP(打撃練習)で投げてみて感じることもあると思う」と今後の課題を語った。

 ブルペンでは、捕手の手前で高めのゾーンに横一線に紐が張られていた。菊池は「高め(の速球)を多く使って抑えていこうということだと思う」と練習の意図を説明。日本では高めを使った投球の組み立てはほとんどなかったというが、「確かにデータで見ても、どのピッチャーもほとんど高めで空振りを取っている。今までそんなに意識して高めを投げてきたわけではないので、そこは残りの期間で練習していきたいと思います」と意欲を見せた。

 この日から野手が合流し、いよいよチーム全体として始動した。憧れのイチローとは挨拶を交わしただけだが、同じグラウンドで練習をしている事実に感慨深さを覚えたようだ。

「今日思ったのは、(自分も)野球選手なんですけど、まだ野球少年だと思いました。『おぉイチローさんだ』とか、『エンカーナシオンいるよ』みたいな、感動しながら練習ができているというところは、まだまだ野球少年だなと思いました。久しぶりにそういう感覚にあいました」

 一瞬、童心に返った27歳左腕。夢舞台への準備を進めるキャンプで心を躍らせた5日目が終わった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY