初選出11人のフレッシュ侍 なぜ常連組は選ばれなかったのか

選手には故障のリスクも…全ては野球競技が復活する2020年東京五輪での金メダルのため

 実績のある選手が調整段階で“本気”の試合に臨めば、故障のリスクも高まる。選手を送り出すチームの心配は、そこも大きいかもしれない。投手では石井弘寿(ヤクルト)が2006年の第1回WBCで左肩痛を発症。その後は目立った活躍はなく、11年で現役引退した。09年WBCで2大会連続で最優秀選手に選ばれた松坂大輔(当時レッドソックス)はその直後、右肩の疲労を理由に4月15日に故障者リスト入り。08年は18勝を挙げたが、09年は4勝止まりだった。野手でも村田修一(当時横浜)が09年の第2回WBCで走塁中に右太もも裏肉離れ。1軍復帰は開幕後の4月21日だった。あのイチロー(マリナーズ)も第2回WBC後に「胃潰瘍性出血」と発表され、開幕アウトとなっている。

 当然、WBCと強化試合では本気度、プレッシャーも違う。とはいえ、16年10月の日本シリーズで右足首痛を発症した大谷翔平(当時日本ハム)は同年11月のメキシコとの強化試合で患部が悪化。17年の第4回WBCは欠場し、17年シーズンでもその右足首痛の影響でシーズン序盤に左太もも裏を肉離れ。メジャー移籍前のラストイヤーは結果的に3勝、8本塁打にとどまった。もちろん、負傷のリスクは日本代表に限らずどの試合でもつきまとう。ただ、逆に言えば3月の試合は思い切ってプレーする若手を試す絶好の機会とも見ることができる。

 侍ジャパンの強化試合は主にシーズン前の3月か、シーズン後の11月に行われている。その度に開催時期などが話題となっているが、シーズン中の国際試合となれば、より多くの問題が出ることも確かだ。全ては野球競技が復活する2020年東京五輪での金メダルのため。稲葉監督ら侍ジャパン首脳陣は限られた中で成長のヒントをつかんでいけるか、試されている。

(Full-Count編集部)

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