キャンプこその醍醐味、間近で味わうブルペン投球練習 観客席を設ける球団も
ファンが見学できる観客席を設置する球団も
かつて、春季キャンプでのブルペン投球練習は、ファンにあまり公開されていなかった。ファンは窓の隙間から覗いたり、報道陣の後ろから遠巻きに眺めるしかなかったが、近年では次々とブルペンの横に観客席が設けられるようになった。西武、ソフトバンク、オリックス、楽天、阪神、巨人、中日などがそうだ。中日は昨年から観客席が設けられ、窓越しではあるが、投球を見ることができるようになった。昨年は松坂大輔が人気を呼んでいた。
これまでのブルペンはマウンドとホームベース部分だけが屋根で覆われた屋外施設が大半だったが、最近は全体が屋根で覆われた屋内ブルペンが増えている。巨人の宮崎キャンプでは、今年からメイングラウンドの横に大きな屋内ブルペンが設けられた。宮崎キャンプの敷地は広大で、投手陣はバスでブルペンまで移動していたが、今年は歩いて移動できるようになった。
また阪神の宜野座キャンプでも、今年からブルペンが屋内施設になった。観客席は建物の外側に設けられ、ファンは窓越しに投球が見られるようになっている。
全体練習で予定されるブルペン投球では投手がユニホームを着るが、それとは別に、全体練習が一段落した午後に1~2人の投手がTシャツ姿でマウンドに現れることもある。故障で離脱していた投手がフォームを確認しながらゆっくりと投げたり、若手投手が新しい変化球を試すために投手コーチと一緒に1球1球変化を確かめていたり。そういうディープなシーンに出くわすのも、キャンプの楽しみの1つと言えるだろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)