常勝ソフトバンクの課題…若手野手は宮崎での28日間でアピールできたのか?
主力の内川、松田、柳田は30代…後継者出てこい 34歳長谷川「若手に負けるなんて全く思ってない」
ソフトバンクにとって、若手野手の台頭は積年の課題だ。内川は今年37歳、松田は36歳になる。柳田も30歳を超え、チームの年齢層は着実に上がってきている。上林がレギュラーの座を掴んだものの、今、チームが最優先で求めているのは内川や松田の後継者となるべき選手。このキャンプで、その候補となりそうな選手が果たしていただろうか?
確かに初戦で3塁打、2戦目で本塁打を放った真砂や、育成選手の周東のように、ある程度の結果を残した選手はいた。だが、予想以上のインパクトを残したかといえば、そうではないだろう。どちらかといえば、目についたのは、例年通り、主力選手たちの意識の高さ、練習量の多さだった。
ソフトバンクは12球団でも屈指の戦力を誇る。球界最高の打者に上り詰めた柳田を筆頭に、内川や松田といった実績者、中村晃や今宮、上林といった実力者が名を連ねる。先にも記したように、このチームの中核を担う選手たちの、野球へ取り組む意識や姿勢には目を見張るものがある。
となると、若手がちょっとばかり結果を残しただけ、ちょっとアピールしただけで、その座を奪うことは不可能だ。主力選手たちを凌駕するだけの意識、練習量、そして貪欲な姿勢が必要不可欠なのだが、それだけのものを見せた若手がいたとは言い難い。
ベテランの長谷川勇也はオフの契約更改後の会見で「意識の高い選手がいない。何のためにプロに入ってきたのか、何のためにユニフォームを着ているのか、伝わるものがなかった。年齢を重ねて後輩の見方が変わってきたところもあるが、だから負けちゃいけないし、負けるわけがないとも思っている。それは松田選手や内川選手にしても同じ。みんな、若い選手に負けるなんて全く思っていない」と語っていた。その長谷川勇はB組スタートとなったキャンプ中、毎日のようにティー打撃やマシン打撃に没頭し、凄まじい数のバットを振っていた。この長谷川勇を唸らせることはできたか。
立花義家1軍打撃コーチは言う。
「もっと追いついていかないといけない。もっと意識を高く持ってやらいないといけない。若い選手たちも間違いなく良くなっている。でも、主力の選手たちと同じじゃいけない。もっと意識を持って、もっと自分の特徴をどうすれば出せるか、生かせるかを考えて欲しい」
3月2日からオープン戦がスタートする。開幕まで残り1か月弱。頭角を表す若手の出現に、期待したい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)