熱気あふれる1時間半 「もし野球好きのおっさんがデータ分析を学んだら」開講
MLBの傾向もデータで丸わかり
また日本だけでなく、MLBのデータに関する話題にも及ぶ。一つは昨年12月、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が検討すると報じられた「守備シフトの制限」について。投高打低が続く打開策として考えられたが、岡田氏は守備シフト回数とBABIP(本塁打を除きフェアゾーンに飛んだ打球の安打の割合)のグラフを紹介。「年々、守備のシフト回数は上がっているが、BABIPはほとんど変わりない。MLBの打率が下降しているのは守備シフトの影響ではないとアナリスト界隈では常識となっています」と伝えた。
もう一つは昨年、MLBで話題となった「オープナー」。リリーフ投手が先発し1回を投げ、2回からは本来の先発投手が長いイニングを投げる起用法だ。岡田氏は「投手のベンチ入り人数がMLBより多い、人材が投手に集まっているなど日本でもオープナーは有効なのでは。北海道日本ハムの栗山英樹監督が『具体的に検討したい』という話も出ているため、今年は注目して見てほしいです」と語った。
質疑応答では「ZOZOマリンは球場改修したことでデータに影響が出るのか?」「観客や応援は成績に反映されるのか?」など、さまざまな質問が飛び出し、最後まで熱気にあふれる1時間半となった。イベント後、岡田氏は「マニアックな話だったので『大丈夫かな』と思いましたが、皆さん好意的に捉えていたのかなと感じますね。皆さんいろいろな情報を見ているなと思いました」と振り返った。
また、本イベントの続編となる「もし野球好きのおっさんがデータ分析を学んだら2回表」が3月20日に開催されることがイベントの最後に発表された。参加者に対して「宿題」として課せられたのは「データから順位を予想してみよう」「2019年、セパ両リーグの1位チームは?」。ちょうど時期は開幕直前。「2回表」はさらに深みのあるデータ分析が議論されるだろう。
(「パ・リーグ インサイト」武山智史)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)