NPB復帰を目指す元DeNAドラ1北方、独立Lで衝撃156キロ 客席から驚嘆の声

今季からBC栃木に加入した北方悠誠【写真:編集部】
今季からBC栃木に加入した北方悠誠【写真:編集部】

DeNAとソフトバンクを戦力外となった右腕、3月で異例の速さ「納得いく球もありました」

 今季から独立リーグのルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスに移籍し、NPB復帰を目指す北方悠誠投手が5日、JR東日本とのプロアマ交流戦に移籍後、実戦初登板し、最速156キロをマークした。1イニングを投げ、2四死球を与えたが、2三振を奪い無失点。スタンドからはあまりにも速すぎるボールに驚嘆の声が漏れた。

 うなりを上げるストレートが捕手のミットに収まった。ネット裏でスピードガンで球速を測ったスタッフも驚いた。JR東日本のスタッフの計測では154キロだったが、栃木GBの数値は156キロ。3月のこの時期には異例の速さだ。

 昨年9月以来の実戦マウンド。7回から登板した北方はまず、先頭打者を右飛に仕留めた。続く打者には四球を与えたが、JR東日本の4番・丸子達也(早稲田大)を空振り三振に仕留めた。2死一塁から、死球と暴投で2死二、三塁のピンチを招くが、最後も力のあるストレートで空振り三振。崩れそうになりながらも、何とか切り抜けた。

「納得いく球もありましたけど、もったいなかったですね。四球に死球に、暴投……(苦笑)ただ、昨年は走者を出して、そのままズルズルいってしまったけれど、今日は粘れました。先頭打者で1死、取れているというところも昨年からの反省を踏まえて、できた部分でもあります」

 1イニングに2四死球の内容は安定していたとは言えないかもしれない。ただ、荒れ気味のストレートは良くも悪くも持ち味だ。課題は制球力であることは、誰よりも本人が自覚している。

「(156キロ計測した)スピードは聞きました。今の僕はスピードよりも投球術が大事。コントロールを磨いていければ、スピードも出ると思っています」

 唐津商(佐賀)から2012年ドラフト1位でDeNAに入団し、2014年に戦力外になった剛腕。15年にはソフトバンクと育成契約も、1年で再び戦力外となった。その後は独立リーグのチームを渡り歩き、NPB復帰を目指している。

 北方は「今は自信がついてきている部分はあります」と話す。この投球を続ければ、もしかして……。期待が膨らむ圧巻の“剛球ショー”だった。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY