歴代1位は杉内俊哉 他の投手記録と10傑の顔ぶれが大きく変わる奪三振率
奪三振に関する基本的な指標「K/9」、10傑にも現役投手が並ぶ
奪三振に関する基本的な指標に「K/9」がある。奪三振率ともいわれる。数式は、奪三振数÷投球回数×9。投手が9回を投げれば、いくつ三振を奪うかという指標だ。
K9は、MLBでは投手の能力を知る上で、非常に重要な指標とされる。投手にとって三振は、振り逃げ以外では走者を許すことがない、きわめて安全なリザルトだからだ。この数値が「9.0」を上回ると、1イニングに1個以上三振を奪っていることになり、パワーピッチャーとみなすことができる。
○NPB歴代K/9の10傑 1500投球回以上 所属があるのは現役 ()は実働期間。
1 杉内俊哉 9.28/2156奪三振/2091回1/3(2002-2018)
2 石井一久 8.84/2115奪三振/2153回1/3(1992-2013)
3 江夏豊 8.41/2987奪三振/3196回(1967-1984)
4 メッセンジャー(神) 8.37/1420奪三振/1527回1/3(2010-2018)
5 和田毅(ソ) 8.27/1520奪三振/1654回2/3(2003-2017)
6 上原浩治(巨) 7.96/1400奪三振/1583回2/3(1999-2018)
7 能見篤史(神) 7.841/1436奪三振/1648回1/3(2005-2018)
8 中田賢一(ソ) 7.839/1337奪三振/1535回(2005-2018)
9 川口和久 7.81/2092奪三振/2410回(1981-1998)
10 金子弌大(日) 7.72/1566奪三振/1825回2/3(2006-2018)
投手記録の多くの部門で、昭和の大投手が上位に来るが、奪三振率10傑は、顔ぶれが大きく変わっている。昨年まで現役だった杉内が歴代1位、通算でのK/9は、ただ一人「9」を超えている。2位も2013年まで現役だった石井だ。昭和の時代の江夏を挟んで4位の阪神メッセンジャーから8位のソフトバンク中田まで、現役投手が並ぶ。
昭和の時代と比べて、平成のプロ野球はフォークやチェンジアップ、スライダーなど空振りを奪うことができる変化球が増えた。投手の球種も増えて、三振を奪う手段が増えた。奪三振率は昭和時代よりも高くなった。
登板数が少なくなったことで、勝利、完投、イニング数など積み上げ型の数字は昭和より平成のほうが見劣りするが、奪三振率では平成が大きく上回っている。
一般的に奪三振は、左投手のほうが多くなるとされる。このランキングでも杉内、石井、江夏と上位3人は左腕が続く。4位の阪神、メッセンジャーはNPB史上最も奪三振率が高い右腕ということになる。