「同じ失敗は絶対に繰り返さない」DeNA三原球団代表が心に秘める今季の決意
「ファン目線を考える姿勢は崩さずに持っていきたいと思いますね」
――高田GM体制の7年間で、だいぶ選手層が厚くなったのでは。
三原「選手層の厚さはまだまだ。編成を預かる身として、満足することは決してありません。それでも、楽しみな若い選手はどんどん出てきた。桑原(将志)だったり、去年活躍してくれた京山(将弥)だったり、阪口(皓亮)も今年デビューしてくれるでしょうし。少しずつでも高校生から育成して1軍で活躍する選手が出るのはうれしいことです。ただ、他球団やメジャーと比べたら、体制としてはまだまだです」
――目指す方向には進んでいるようです。
三原「近づいてきていると思いますし、結果も出てきているとは思います」
――ファンが気になるのは、まず今年のチーム状況だと思います。
三原「去年は本当に悔しい思いをした1年でした。今年はメンバーに大きな変化があった年ではないので、去年悔しい思いをした選手が、いかに反省や悔しさをぶつけてくれるか、というシーズンになると思います。首脳陣を含めて反省の多い1年だったので、そこをどう改善し、新しいチームにできるのかが試される。私を含めて、去年と同じ失敗は絶対に繰り返さないこと。それを合い言葉のように話しています」
――チーム作りをする上で、ファンの目線を意識すると仰有っていました。
三原「ファンに見てもらいたいものは何なのか。それをちゃんと意識したり、ファンに見せてはいけないものは何なのかを意識したり。やっぱり、ファンあってのプロ野球ですから」
――ファンが離れたら本末転倒になってしまいますね。
三原「そうですね。我々が参入した2012年当時、横浜スタジアムはものすごく寂しい球場だったんですね。それが今、200万人を超えるお客さんが来てくれる。ファンは絶対に無視してはいけないし、大切にしなくてはいけないと思います」
――スカウトの皆さんもファン目線は意識しますか?
吉田「もちろんです。幸い、今はファンが意識してくれてるんですよ。これだけチームを見てくれているんだから、今強くならないと、また離れていってしまう。だから、今が一番大事。それはスカウトも育成も考えていかないといけない。我々はまたドラフトでいい選手を獲って、しっかり育てて、そうして本当に強いDeNAにしていきたい。ファンがこっちを向いてくれているから、それに応えないとね」
ー継続的に勝っていける、継続的にファンを喜ばせられるチームですね。
三原「当然、強いという要素もそうですけど、見に行く価値がある球団にしていかないといけない。感情移入ができる選手がいたり、チームであることは重要なことだと思います」
吉田「DeNAは素晴らしいファンが多いから、それに応えられるように、またスカウトにハッパ掛けておきますよ!」
新体制のベイスターズがファンを意識しながら、5年後、10年後にどんなチームになっているのか。
(佐藤直子 / Naoko Sato)