背番号4の二塁の強打者 履正社・池田凛が描く理想の打者像
昨秋のチーム“首位打者” 11月から食トレ筋トレで体重が3カ月で4キロ増
第91回選抜高校野球大会(23日から12日間、甲子園)に出場する履正社の池田凜内野手(2年)は昨秋の公式戦で5割近い高打率をマークし、甲子園での飛躍が期待される。一冬を超え、背番号4をもらった池田のこれからの課題と目標はパワーと憧れの先輩へ近づくことだった。
昨秋の公式戦20試合以上に出場した選手の中ではトップの4割7分6厘の高打率を残した。「積極的に振りに行けたことが良かった」と本人は振り返るが、小深田大地内野手(2年)、井上広大外野手(3年)とパワーのある打者の後ろを打つことに関して、大きなプレッシャーは感じていない。
「(前の2人の打者の出塁率が高いため)バントのサインもありますけれど、自分のバッティングでうしろに繋ぐことを心掛けてきました。打てる自信を持って打席に入るようにしています」と胸を張る。
それでも、全体的にパワー不足は秋から痛感してきた。
岡田龍生監督も「飛ばす技術はあるけれど、パワーがもっとついていけば」と172センチ、68キロと“華奢”な巧打者へ期待を寄せている。
もちろん本人もそれは自覚しているが、それ以上にもうひとつ大きな課題がある。
「もともと自分は調子の波が大きい方でした。下半身が安定すれば調子の波ができなくなると思うので、下半身を強くすることをこの冬はテーマにしてきました」。
高校に入って初めてとなった今年の冬は、下半身強化を意識したウエートトレーニングに明け暮れた。もともと、食が細い方だったため、3食以外は休み時間におにぎりをほお張るなど間食を増やした。「無理に食べるのではなくて、時間があれば食べて、食べる回数を増やしました」。11月から体重が3か月で4キロもアップしたのはその成果だ。
実際に打撃練習でも「芯で捕らえ切れていない打球が、今まではフライだったのに外野を超えるようになりました」とパワーがついたことを実感。2月半ばの紅白戦では右中間にホームランも放った。
「今までは、捕らえた打球でもそこまで飛んでいなかったけれど、質としては上がってきているのかなと。昨日は打てたのに今日はダメだったという打席が減ってきたような気もします」。下半身が安定したことで、スイングにも力強さが増した。長い冬の時間の中でバッティングをイチからじっくり見つめ直したこともプラスに転じたが、それでも安心している暇はない。
「センバツでは日本一になるという目標があるので、自分も貢献したいです。下の学年ですけれど、自分が引っ張るんだという気持ちでやっていきたいです」と意気込む。
秋は2ケタだった背番号が、このセンバツで「4」に。自分の役目や責任を今まで以上に感じながら、チームが勝つために自分がどう動くかを常に考えながらプレーしていくつもりだ。目指すはアベレージヒッター。「(高校の大先輩の)山田哲人(ヤクルト)選手のように確実性の高い打者になりたいです。でも、率を残すだけではなくて飛ばすことも意識していきたいんです」。履正社は大会1日目の第3試合で星稜(石川)と対戦。新2年生の小さな体に秘めたパワーに、大きな可能性を感じずにはいられない。
(沢井史 / Fumi Sawai)