イチローの“熱狂凱旋”にマ軍同僚も興奮「信じがたいほど凄かった」
イチロー3の0も東京ドームは大熱狂 ゴードン「最も素晴らしい選手の一人」
マリナーズのイチロー外野手は17日、巨人とのプレシーズンゲーム(東京ドーム)で3打席に凡退。アリゾナでのオープン戦8試合、18打席無安打を仕切り直せず、音無しは21打席に伸びた。前日16日の会見で「大好きな日本でプレーすることで気持ちも変わるし、自分の持てる技術を見せたい」と胸の内を言葉にしたが、結果は出せなかった。
日本での雄姿は見納めかもしれない――。4万6315人のファンが詰めかけたドームは12時5分の試合開始前からイチローの動きに沸いた。試合直前のルーティーンで外野でのアップとストレッチを終えベンチに戻る際、グランドに張り出した三塁側の「エキサイトシート」に近寄りサインに応じ始めると人垣は一気に膨れ上がり、どよめきが起きた。
2回の第1打席、大歓声で迎えられたイチローが右手一本で漆黒のバットを立てる“臨戦ポーズ”を取ると、ボルテージは最高潮。1回裏の右翼守備に向かう際には右翼席の巨人ファンからも大歓声が上がり、イチローはグラブを差し向けて応えた。
東京ドームのファンと一体化したイチロー。本塁打を放ったディー・ゴードン二塁手は、目の当たりにした大観衆の反応について衝撃を受けた様子だった。
「すごかった! 彼が成し遂げてきたことのすべてがあれだけの応援に値するということ。ともにプレーをした選手の中で最も素晴らしい選手の一人」
今季インディアンスから加入したエンカ―ナシオンは熱気を帯びた言葉で振り返った。
「イチローは楽しんでたね。日本のファンの反応はものすごく印象的だった。信じがたいほどすごかった」
「今日しか来られない人がたくさんいたと思うし、結果出したかったね。でもいい雰囲気。凄くいい感じです。感激しました」と話し球場を後にしたイチロー。20日のアスレチックスとの開幕戦へ、18日の巨人戦が最後の調整になる。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)