オリ元中継ぎエースは新米広報で奮闘中 「今はまた少し投げてみたいな」
昨年限りで現役を引退した佐藤達也氏、13、14年は2年連続で最優秀中継ぎに
プロ野球の2019年シーズンは3月29日に開幕を迎える。オープン戦も終盤となり各球団も本番モードで最終段階にきている。選手と同様に忙しい日々を過ごす“ルーキー”がオリックスにいる。昨年で現役を引退し球団広報として活躍する佐藤達也氏だ。
「まだまだ、分からないことだらけで勉強の毎日ですよ。今はまだ選手の気持ちを考えてしまいますね」
春季キャンプ、オープン戦と1軍に帯同し試合前から試合後まで各所を駆け回る。現役時代は自身の調整だけを考えればよかったが今の職場は「時間の使い方が全く違いますね、全てに関して“待つ”ことが求められますから。これまでは自分が投げることで試合が動く。不思議な感覚です」と、新天地でのスタートに悪戦苦闘しながらも笑顔を見せる。
試合後の選手囲み、報道陣へのプレスリリース、取材申請の依頼を処理するなど仕事は盛り沢山。パソコンには連日多くのメールが届き返信に追われる日々を過ごす。現役時代はオフも休まず投げ続けてきたが、今年1月から広報として働き、ボールを投げることはなくなった。それでも右肩の痛みは残っているという。
「投げ続けないと。逆に肩がほぐれて痛くないんですよ。だから今は当時より痛みを感じてますね。仁藤君(オリックス球団広報)がいきなり選手のキャッチボール相手をしているのを見ていると、本当に尊敬しますね。『何で投げられるの? すげぇな』って」
広報としてスタートしてから約3か月で体重は5キロ減った。広報業務で痩せたのではなく「筋力が落ちたので一気に体重が……。今はまた少し投げてみたいなぁと思ってきました。準備しないと投げられないのですけど(笑)」と、“再登板”にも意欲を示している。