ロッテ7年目の加藤、準備と積極打法で開幕1番へ猛アピール中
西武戦で先制ソロを含む2打数2安打 井口監督「加藤の1番もある」
■西武 3-1 ロッテ(オープン戦・20日・メットライフ)
プロ7年目のスイッチヒッター、ロッテ・加藤翔平外野手が20日、西武とのオープン戦(メットライフドーム)で「2番・右翼」で先発出場。初回1死の第1打席で高橋光のスライダーを捉えてオープン戦1号ソロ。4回先頭では中前打を放ち、2打数2安打1打点をマークした。井口監督は「加藤の1番もある」と切り込み隊長として起用する可能性を示唆した。
入念な準備の賜物であった。初回1死の先制ソロは、高橋光の2球続けてきたスライダーを打った。「スコアラーの方と相手投手について、毎日いい話し合いができている。高橋光成投手の(初球に投げた)スライダーが、映像を確認した時のイメージより早くてキレがあるスライダーだった」。空振りした初球のスライダーの軌道をインプット。相手が同じ球種を続けてきたところで、見事にそのボールをスタンドに放り込んだ。「若干甘かったとは思うんですけど、思ったより早くてキレのあるスライダーでした。そこで自分の中で、ちゃんと意識を変えて、打てたんじゃないかなと思っています」と振り返った。
ここまでオープン戦は5試合連続安打中。8試合出場し、22打数9安打の打率.409、1本塁打。3盗塁を決めている。練習中はもちろん、試合中も打撃コーチらと意見交換することが好打につながっている。
「自分は何も準備せずに打てるほど、技術は高くないと思っています。バッティングコーチやスコアラーの方と自分の意見を交えながら、いろいろな話はできている。そういう準備をこれからも大事にしていきたいと思います。自分の考えとベンチの意図とが一致していたかの答え合わせをしながら、事前準備と結果を受けての反復、反省などもできている。そのことが今の結果につながっている」
プロ初打席で初本塁打を放ち、華々しい1軍デビューを飾りながらも、レギュラー定着はできなかった。「(去年までプロで)6年間やってきて、自分がそこまで技術が高くないということもわかっていますし、自分の中でどこか割り切っていかないと結果が出ない。だから『どこの球を打っていこう』『どの球を打っていこう』っていう、準備を特にするようになりました」。狙い球を絞り、1打席1打席勝負に挑んでいるという。
このところ1番で起用されている岡大海がここ3試合ノーヒットということもあり、井口監督は「加藤の1番もある」と、切り込み隊長としての起用も示唆されている。「基本的にはどんどん振っていくことが大事だと思っています。監督も『初球をしっかり振れていないことが多い』とコメントされていたので、初球から振っていくというスタイルは変えずに1番に限らず、どの打順でもやっていきたいと思います」。開幕1軍へ、準備と積極打法でアピールを続けていく。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)