2016年限りで現役引退… 波乱万丈の野球人生を送った元DeNA右腕の今
父・昭雄さんは「おまえがユニホームを着てコーチをしている姿も見たい」
「抑えた、打たれたという結果より内容を重視します。ファーストストライクの確率が低いとか。打たれているのは投手不利のカウントが多いから修正する必要があるなど具体的にわかりやすく説明してくれる。コーチもデータを細かく重視するので面白かったですね」と興味がわいた。
16年7月に台湾で現役引退を決断したが、独立リーグ・香川の西田真二監督に「おまえの経験を若手に還元してくれ」と声を掛けられ、5年ぶりに古巣でプレーした。主に救援で5勝0敗1セーブ、防御率1.80と好成績を残す一方、米国でデータを重視した野球に触れたことで、新たな着眼点が生まれた。「プロ野球や海外で得た視点で見ると、昔は感じられなかったところが見えて、若手にアドバイスをしているうちに指導者に興味がわいてきました」
父・昭雄さんには「おまえがユニホームを着てコーチをしている姿も見たい」と声を掛けられたという。「家業を継いで家族もいますしね。指導者になりたいという思いも簡単には決められない。でもずっと野球に携わりたい思いはあります」。波乱万丈の野球人生を送った冨田の今後が楽しみだ。
文/構成 インプレッション・平尾類