「彼を見て育ってきた」―イチローに3000安打目を打たれた男が抱く“誇り”
米経済紙が特集「イチローの最終打席のヒットは歴史的で忘れられないもの」
21日のアスレチックス戦(東京D)を最後に現役を引退したマリナーズのイチロー外野手。19シーズンに及ぶメジャー生活で打ち立てた数々の金字塔が再評価される中、米メディアではMLB史上30人目の3000安打目を放ったときの相手投手にスポットライトを当てている。
「イチローの通算3000本安打はクアーズ・フィールドにて、ロッキーズのリリーバー、クリス・ラシンから放った」
こう特集したのは米経済紙「フォーブス」だった。
メジャー通算2653試合に出場した背番号51は、3000安打目を放ったクアーズ・フィールドでは通算19試合に出場。記事によると、そのうち先発は11試合で、56打数14安打の打率.250だったという。標高1600メートルの高地にあり、気圧が低く打球が飛ぶため打者有利の「ヒッターズパーク」として知られるクアーズ・フィールド。背番号51としては意外なほど低い通算成績となっているが、メジャー史上最も重要とも言える一打を同地でマーク。記事では「イチローのヒットは歴史的で忘れられないものだ」と振り返っている。
マーリンズ時代の2016年8月7日、敵地クアーズ・フィールドで行われたロッキーズ戦の7回1死走者なしの場面で、イチローは左腕クリス・ラシンのカットボールを完璧に捉えた。ライトフェンス直撃の三塁打。MLBの歴史に刻まれる3000安打達成の瞬間、コロラドのスタンドではスタンディングオベーションが沸き起こった。チームメートはダグアウトから総出で三塁上のイチローを称え、ロッキーズのダグアウトからも選手とスタッフの拍手が送られた。