広島大瀬良、初の開幕投手で快投 丸から4奪三振に「甘くならないように」
初の開幕投手で8回7安打無失点、11奪三振の快投で菅野に投げ勝つ
■広島 5-0 巨人(29日・マツダスタジアム)
広島の大瀬良大地投手が29日、巨人との開幕戦で8回7安打無失点、11奪三振の好投で自身初の開幕投手を白星で飾った。
菅野との投手戦に投げ勝ち、昨季最多勝の右腕が周囲の期待に応える投球を見せた。「不思議なぐらい緊張はしなかった」という大瀬良は「球場の雰囲気は確かに違った」という大舞台で躍動した。
毎回のように走者を背負ったが、ここ一番の場面で三振を奪ってピンチをしのいだ。8回には連打で無死一、二塁のピンチを作ったが丸、岡本を連続三振に打ち取り、スタンドからはこの日一番の歓声が上がった。124球を投げ切った右腕は「カットボールがよかった。真っ直ぐのような軌道から曲がったので、あれだけ打者も振ってくれた」と自身の投球を分析した。
FA移籍で因縁の対決となった丸からは4奪三振と完璧に抑えた。「打たれたらどうなるかなと思った」という昨年までの同僚との対決を「対戦の経験がないので、探り探りの投球だった。インコースを攻める時は甘くならないように気をつけて、いろいろな球種を使って抑えることができた」と振り返った。
球界を代表する投手との開幕戦で、エースにふさわしい投球を見せた。大瀬良は「こういう試合でずっと投げ合いたいと思っていた。とにかく最少失点で、どんなにランナーを出しても、絶対にホームは踏ませないという気持ちだった。なんとか抑えられてよかった」と満足した様子だった。
試合後の会見では、緒方監督も「大地があれだけのピッチングをしてくれたから」とエースの話に終始。リーグ4連覇の最大のライバルと目されていた巨人相手に、文句なしの快投劇。昨季初タイトルを獲得し、真のエースへの飛躍が期待される大器の覚醒を予感させる開幕戦だった。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)