2142日ぶりの1軍登板 鷹・川原が好救援 ど緊張で「自分の体じゃないみたい」
左肩の手術、左肘のトミー・ジョン手術を乗り越え、開幕前に支配下復帰
■ソフトバンク 6-5 西武(30日・ヤフオクドーム)
ソフトバンクの川原弘之投手が6年ぶりの1軍登板を果たした。30日、本拠地ヤフオクドームでの西武戦で、6回に2番手で登板。開幕直前に育成選手から支配下復帰を果たした左腕は2013年以来となる1軍のマウンドに上がった。
2013年5月18日の阪神戦以来、2142日ぶりとなった1軍マウンド。「緊張しました。おかしかったというか、自分の体じゃないみたいでした」。プロ初登板と同等以上の緊張の中で、川原はマウンドに上がった。
先頭の森に四球を与えたが、続く外崎を遊ゴロに仕留めた。さらに、女房役の甲斐が“キャノン”で外崎の盗塁を阻止し「あれは助けてもらいました」と左腕。栗山に中前安打を許したが、中村を遊ゴロに封じて無失点に抑えた。
1回を1安打1四球で無失点。150キロを超える真っ直ぐで西武打線をねじ伏せ「幸せを噛み締めながら投げました。四球を出しても、ヒットを打たれてもゼロに抑えることを目指している。今日はトータルでゼロに抑えられたのでヨシとします」と振り返った。
2009年にドラフト2位で入団しながら、度重なる故障に悩まされてきた川原。左肩の手術、そして左肘のトミー・ジョン手術を受けて2015年オフには支配下から育成選手へと変更となった。そこから4年が経った。
「怪我で投げれなかった時期は辛かったですけど、1軍でまた投げられるとは思ってなかったので本当に嬉しいです。またここで投げたいと思っていたけど、まさか本当に投げられるとは思ってなかったです」
育成選手としてリハビリに励み、そして、ようやく掴み取った支配下復帰、1軍マウンド。無失点に抑え、この日の登板を終えた川原は「声援すごいですし、プロ野球だなぁっていう感じがしました。オープン戦とは違いましたね」と純粋な心境も語った。
初となるお立ち台にも上がり、無数のフラッシュに「眩しいです」と目を細めていた川原。「両親、家族、ここまで支えてもらった人たちに感謝を伝えたいです」。幾多の苦難を乗り越えて、辿り着いたマウンドは、きっと忘れられぬ瞬間となったことだろう。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)