菊池雄星、父の死去も気丈 カメラマンへ「暗い顔は使わないで下さいね」
次戦5日ホワイトソックス戦に決定 2戦白星つかずも「勝ち星よりも投球を認めてもらうこと」
前日3月30日(同31日)に、父・雄治さんが59歳の若さで他界したことを球団を通じて明らかにしたマリナーズの菊池雄星投手はこの日、遠投や平地での軽めの投球練習で約15分の調整。その後に応じた報道陣の囲みを撮るカメラマンに「暗い顔は使わないで下さいね」と気丈に振る舞った。
29日のレッドソックス戦で米デビューを果たし、抑え投手の被弾でメジャー初勝利を逃した菊池。それから2日目の心境を問われると歯切れ良く答えた。
「今の僕に必要なのは、勝ち星よりもマリナーズの監督、コーチ、選手、そしてファンの皆さんにピッチングを認めてもらうこと。勝ち星以上に必要なことだと思う。それに徹する。しばらくはチームが勝てるようにフォーカスした方がいいんじゃないかと僕は思ってます」
前日30日(同31日)夜に球団を通じて父の死去に寄せた報道陣へのコメントで最後に添えた「野球の質問」に終始した質疑応答では、友人や知人から届いた激励の米初登板にも触れ「改めてデビューしたんだという実感が湧いてきました」とうなずいた。
次回登板は4月4日(同5日)の敵地でのホワイトソックス戦に決定。菊池は囲みの最後をこう結んだ。
「それを当然目標にしてますし。そこが今年の1番のテーマですので、怪我せずにしっかりと試合を作りながらローテーションを守り続けるのがテーマですね」
力強く言い放った27歳の左腕は、父の遺言通りに、帰国せず戦いの場に留まる。花巻東高時代から12年間温めてきた夢舞台での挑戦を陰から支え続けてきた最愛の父との「最後の約束」を果たすマウンドに上がり続ける。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)