神戸弘陵が史上初の連覇 初出場のクラーク記念国際にサヨナラ勝ち 女子高校野球の選抜決勝
0-0で迎えた7回裏に副主将の米谷が劇的なサヨナラ打
女子高校野球の選抜大会である全国高等学校女子硬式野球選抜大会の決勝が埼玉県加須市の加須きずなスタジアムで行われ、神戸弘陵(兵庫)が1-0でクラーク記念国際(宮城)を破り、史上初の2連覇を達成した。
今年で20回目の開催を迎えた女子高校野球の選抜大会。決勝は前回大会優勝の神戸弘陵と初出場のクラーク記念国際の対決となった。注目は両エースの投げ合い。4試合完投し、打者としても適時打を放つなど投打にわたり活躍してきた神戸弘陵・佐伯絵美投手(3年)と、今大会で女子高校野球界最速125キロを計測したクラーク記念国際・小野寺佳奈投手(2年)だ。
初回、佐伯は3者凡退のスタート。一方の小野寺は失点こそなかったものの、2本の安打や犠打などで1死二、三塁のピンチを背負った。6回まで両軍無得点のまま、7回裏の神戸弘陵の攻撃を迎えた。先頭打者が四球で出塁すると犠打と相手の失策で2死一、三塁に。ここで打席に立った副主将の米谷奈月外野手(3年)が左中間への適時打を放って、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
サヨナラ打放った米谷は喜びを爆発させ「最高のチームメイトです」と共に戦った選手に感謝の気持ちを伝えた。優勝した神戸弘陵は史上初となる春2連覇を達成し、夏の全国大会に向けて弾みをつけた。
一方で敗れはしたものの、初出場で準優勝したクラーク国際は部員11人ながら、花咲徳栄(埼玉)や神村学園(鹿児島)といった強豪校を撃破し注目を集めた。また、女子野球部は楽天イーグルスと提携しており、監督には石田隆司氏、コーチは広橋公寿氏が務めている。
今大会では全国から史上最多の26校が参加し、熱戦を繰り広げた。現在、女子高校野球部がある学校数はおよそ30であり、今後もその数が増えていくことだろう。女子選手の野球にかける情熱は男子選手と変わらない。確実に野球は男女が共に楽しむことができるスポーツになりつつある。
(豊川遼 / Ryo Toyokawa)