阪神4連敗 開幕6戦11得点と打線低調の中、専門家が挙げる“逆襲”のキーマンは?

4番・大山の「一本立ち」へキーマンとなるのは…

 では、その木浪を1番で起用するメリットはどこにあるのか。オープン戦で結果を残した1、2番コンビの使い方は理にかなっていると野口氏は言う。

「木浪のようなタイプの選手は、打順に関してはオールマイティにどこでもこなす。だから、走力も含めてのこと(1番起用)だと思うので。あの1、2番を逆にするという発想もあるかもしれないですが、それ以上に2番・近本が矢野監督のキーポイントらしいので。そうやって考えると、木浪は1番か7番のどちらかになります。もしかしたら、7番で開幕したほうが本人にとっては良かったかもしれませんが、開幕戦の結果もありましたし、それは結果論でしかないかなと。

 2番で近本を使えば、例えば1番バッターが塁に出た時に送らなくてもゲッツーがないですし、入れ替わってスチールもできる。遅い変化球ならガンと引っ張って打てる。そういうところ(が理由)なんじゃないかなと」

 2番に簡単にバントをさせない、というのが近年の野球界のトレンド。そのための近本2番起用は効果的で「特に無死でも1死でも一塁か二塁に走者・近本がいて、バッター糸井となったら、バッテリーはすごく嫌」だと指摘する。ここまでは2人に当たりが出ていないため、得点力が上がらないが、こちらも“我慢”が必要だといえそうだ。

 また、得点力不足の中で4番の大山悠輔内野手も打率.095と苦しんでいるが、野口氏は「大山が一本立ちすれば、阪神もガンと行ける」と期待する。その上で「色んなことを考えて掘り下げていくと、今年のキーポイントはベテラン2人です」と指摘。3番の糸井嘉男外野手、5番の福留孝介外野手だ。

「オープン戦のときの状態を木浪が取り戻してさえくれれば、むしろルーキーの2人ではなく、大山がキーマンになると思います。大山が(走者を)返せる、返せない、というところになってくるでしょう。もう1つ踏み込んだところを言えば、今年大山を育てるのは3番・糸井、5番・福留です。だから、色んなことを考えて掘り下げていくと、今年のキーポイントはベテラン2人になります。大山を育てられるか――。大山が一本立ちすれば、阪神もガンと行きます。

(野口氏が在籍していた)2003年に優勝した時も、濱中(おさむ)を4番にすると言って、その濱中を育てるために金本(知憲)さんとか桧山(進次郎)さんとかジョージ・アリアスが挟む形を作ったわけですから。そのときのようなことをあのベテラン2人がやってくれれば……」

 開幕から得点力不足が目立ち、3戦目から厳しい4連敗。ただ、まだ6試合が終わったばかり。しびれを切らす時期ではない。

(Full-Count編集部)

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