U18研修合宿がスタート 157キロ右腕佐々木「自分も成長していけたら」
初日は大阪桐蔭西谷監督らの座学 東邦・石川、星稜・奥川ら30選手が参加
今年8月に開幕するU18ワールドカップ(W杯)日本代表1次候補選手を対象した国際大会対策研修合宿が5日、大阪府内でスタート。30年ぶり優勝の原動力になった石川昂弥投手(東邦)、奥川恭伸投手(星稜)、甲子園出場経験はない佐々木朗希投手(大船渡)ら全国から推薦された37選手のうち30選手が参加した。
今合宿は目指す野球の方向性や国際大会へ向けた心構えやルール、マナー、木製バットや環境への対応を高めるために行われ、3日間の日程で研修会を行う。1日目は国際大会に向けた心構えなどの講話が中心の座学研修。まず08年(ブラジル親善試合)、13、15年と3度日本代表を率いた大阪桐蔭高校の西谷浩一監督が過去の国際大会での経験を中心に、注意点などを語った。13年の代表チームの主将を務め、大阪桐蔭の教え子でもある森友哉(現西武)のエピソードなども交えた約30分の貴重な話に選手たちは耳を傾け、「すごく面白かったです」と山瀬慎之助捕手(星稜)。続いて渡辺元智氏(前横浜高監督)も過去の経験談を中心に、ことわざなどもちりばめ選手らを激励。「この3日間は携帯電話を触るより、ここに集まった仲間たちとの生の会話をどんどんしていってほしい」と締めくくった。
多くの報道陣を前に緊張の面持ちだったのが最速157キロ右腕の佐々木朗希投手(大船渡)。前日に大阪入りし、八戸学院光星の武岡龍世遊撃手らと同じホテルに宿泊して、武岡とはすでに言葉を交わしているという。奥川恭伸投手(星稜)や及川雅貴投手(横浜)らの投球はすでにセンバツ大会をテレビでチェックしており、共に合宿で寝食を共にすることになる。「とても良い機会をいただいたので、自分も成長していけたら」と、意気込みを語った。
昨日、春季沖縄大会で優勝したばかりの宮城大弥投手(興南)も元気良く合宿に参加。おとといセンバツ決勝戦を戦い抜き、優勝した東邦の熊田任洋遊撃手は武岡、森敬斗(桐蔭学園)ら、同じポジションにライバルがひしめく。「自分は勝っているところがひとつもない」と苦笑いを見せたが、「自分も負けないように周りの選手の良いところを吸収したい」と疲れを見せず、笑みをこぼした。同じ捕手として東妻純平(智辯和歌山)は山瀬慎之助捕手をずっとライバル視しており、お互いのセンバツでのプレーを称え合いながら「これから色んなピッチャーのボールを受けてみたいです。早くチームに溶け込みたいです。ただ、150キロを超えるボールを受けるのは少し怖いですね」と冗談交じりのコメントで笑いを誘った。
昨年、日本代表に唯一選ばれた奥川は「まずは引っ張っていけるような立場にならないといけないです。今の自分ではまだまだです」と慎重だった。「去年、自分は選んでいただいたとはいえ、何もできなかった。去年の経験を生かして、今年はチームの力になれるような経験をして、まずは自分のチームに持ち帰りたいです。そして、いずれは代表としてプレーできたらと思います」と話した。
6日から本格的に練習がスタートする。