「55」で挑む新シーズン 広島松山、新たな背番号に込められた思い

広島・松山竜平【写真:荒川祐史】
広島・松山竜平【写真:荒川祐史】

永久欠番にしたかった「37」から「44」へ、「違和感があるのは最初だけ」も…

「44」から「55」へ。松山竜平。勝負強い打撃で、広島を多くの勝利に導いてきた男が背番号を変えた。 結果を残している今なぜなのか、その思いに迫った。

 松山は、間違いなく広島の3連覇に大きな貢献をしてきた。4番を含めたクリーンアップを任されることが多いのが、信頼度を物語っている。18年は自身初めてとなる規定打席にも到達し、打率3割をクリア。実力に加え、ぽっちゃり体型から「アンパンマン」とも形容され、チーム内でもいじられキャラが定着。老若男女を問わず、高い人気を誇る。フィールド内外で存在感は抜群だ。

「とにかく、今は野球を楽しめています。もちろん結果が出なくて悔しい時もあるけど、それも野球。好きなことを思い切ってやらせていただいているんで、楽しいだけですよ」

 九州国際大時代、122安打を放ち九州六大学リーグ最多を記録。首位打者2回、本塁打王1回、打点王3回など多くのタイトルを獲得し、九州地方のみならずアマチュア球界きっての強打者として2008年に広島に入団した。

 プロ入り後は、安定した結果を残すことができず、1軍と2軍を行ったり来たり。14年には左前十字靭帯損傷の大ケガを負うなど苦悩の日々が続いた。そして背番号「37」は、同年ドラフト1位指名の野間峻祥へ受け継がれた。広島入団時、「背番号37を永久欠番にしたい」と語った番号だった。

「背番号が変わって違和感があるのは最初だけですよ。やっぱりそれまで背負っていた番号が変わるわけですからね。細かいことだとサインとかの時に書いていた背番号が変わる。そういう部分での違和感は感じますけど、気がついたら新しい番号に慣れているものなんですよ」

「まぁ自分自身、情けないシーズンを送っていましたからね。クビになることも覚悟していたし。だから背番号が変わることで、他のことも変わればいいな。変えたいな、と思いましたね」

自らの意思で「44」から「55」に変更「次は俺しかいないだろ、と」

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