栃木の元阪神・西岡、“独立L1号”を含む猛打賞3打点「満足することはない」
前日は指名打者も、二塁と一塁の守備に就き軽快な守備披露
今季からルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスに加入した前阪神の西岡剛内野手が7日、本拠地デビュー戦で役者の違いを見せつけた。群馬ダイヤモンドペガサス戦(小山運動公園)に「1番・二塁」でスタメン出場。独立リーグ1号を含む2試合連続の3安打3打点の大暴れ。12-3で勝利に導き、地元ファンを魅了した。
桜が見ごろを迎えている栃木で、真っ先に球春を届けたのは、やはりこの男だった。2回2死三塁の第2打席。右打席に入り、ベルト付近の高さに来た球を思い切り引っ張った。左翼の芝生スタンドに入る2ランに、3000人超の観客は大興奮。ダイヤモンドを回って本塁を踏んだ西岡は「家族にです」と、バックネット裏のスタンドに向かってVサインを決めた。
先頭で迎えた5回の第3打席には二塁強襲の安打を放ち、6回無死二、三塁では、お手本のように中前へきれいにはじきかえすタイムリー。前日6日のリーグ開幕戦から計9打数6安打、1本塁打、6打点と格が違う。「NPBを目指しているので満足することはない」と表情を変えない一方で、「結果が出ているのはうれしい」と本音ものぞく。
この日は、二塁と一塁で軽快な守備も披露。ファンたちから注がれる視線は誰よりも特別だが「みなさんに、西岡って名前を1人でも多く覚えてもらえるように」と謙虚な姿勢を貫く。栃木へ来て1か月。NPBとは違った地域の温かさや距離感の近さをひしひしと感じているようで「イチゴをプレゼントしていただいたり…」とも。「とちおとめ」が名産の地方ならではの心遣いに感謝する。
試合後のヒーローインタビューでNPB復帰への思いを問われ、ほぼ満員の内野席に向かってこう切り返した。「栃木からいっぱい来てくれているんですかね? まだ外野(スタンド)は入りますので、1人でも多く入っていただけるように」。華やかな舞台に返り咲く前に、スターとしてこの地でやるべきこともある。
(小西亮 / Ryo Konishi)