「高め狙え」→「脱帽だ…」田中将大の安定感に敵軍解説者も徐々に戦意喪失
ア軍解説者プラム氏は序盤こそ打線へ積極助言も徐々に田中を称賛「見事に低めに集めている」
■アストロズ 4-3 ヤンキース(日本時間9日・ヒューストン)
ヤンキースの田中将大投手は8日(日本時間9日)、敵地アストロズ戦で6回3安打1失点3奪三振2四球と好投。メジャー屈指の右腕ジャスティン・バーランダーに投げ勝ち、今季2勝目の権利を持って降板したものの、救援陣が打ち込まれてヤンキースは3-4で逆転負けした。悔しい投球となったが、敵地放送局「AT&Tスポーツネット」でアストロズ専属の解説者を務めるジェフ・プラム氏は絶賛の投球だった。
注目の開幕投手対決。パドレス、アストロズなどでメジャー通算1389試合出場し、990安打を放ったプラム氏は序盤こそ田中を打ち崩そうと必死の“解説”をしていたが、徐々に戦意を失ったようだった。
3回。開幕から14回連続無四球であることに触れた場面で、プラム氏は「四球を多く出さない投手と対戦する時は球数を稼いだり、疲れさせようとするものではない。高めに浮いた球を狙うのです」と攻略へ“助言”を送ったが、田中の安定した投球は変わらなかった。
試合が進むにつれ、プラム氏の発言は徐々に焦りを感じさせる内容に変わった。田中は過去のレギュラーシーズンのアストロズ戦で5登板し、6イニング以上を投げたことがなかったが、この日の4回まではイニング平均13球。5回1死とした場面から、徐々に田中を称賛するコメントに変わっていった。
「彼はアストロズに対してプレーオフのような投球をしている」
「先ほど話しましたが、ストライクをたくさん投げる選手と対戦する時は、積極的に打ちに行く準備をするものです。なぜならストライクゾーンに投げてくるからです。それにしても、タナカは見事に低めに球を集めている。多くのゴロアウトが生まれている」
ヤンキース3-1と2点リードで迎えた6回、アストロズは田中に対して無死一、二塁と追撃のチャンスを作った。打者はアルトゥーベ。田中にとってはこの試合の最大のピンチとなったが、外角低めへ丁寧に制球。最後は4球目スライダーで遊ゴロに打ち取った。プラム氏は、もうお手上げだった。
「タナカの素晴らしいボールだ。これは彼に脱帽するしかないですね」
救援陣の乱調によって、2勝目はお預けとなった田中。次回登板は15日(同16日)の本拠地ホワイトソックス戦と予想される。敵地メディアから認められた投球を続け、次こそは勝ち星をつかみたいところだ。
(Full-Count編集部)