デービスが61打席無安打…米記者が“皮肉”「イチローは04年に61打席で33安打」
かつての2冠王がワースト記録更新、一方でシーズン262安打を放ったときのイチローは…
オリオールズのクリス・デービス内野手が11日(日本時間12日)の本拠地アスレチックス戦で3打数無安打1四球に終わった。昨季から61打席連続無安打となり、野手としてのメジャーワースト記録を更新。米メディアは、現役を引退したイチロー外野手(マリナーズ)は全盛期に同じ61打席で33安打を放ったこともあると紹介し、“対照的”な内容を皮肉っている。
「7番・一塁」でスタメン出場したデービスは、2回2死走者なしで中飛に倒れると、4回2死走者なしでは遊ゴロ。7回無死一、二塁の好機では四球を選び、チャンスを広げたが、8回1死一、二塁の場面では見逃し三振に倒れた。これで61打席連続無安打となり、トニー・バナザードの57打席連続無安打を上回ってメジャーワースト記録を更新。今季は32打数無安打でいまだに打率.000だ。
MLB公式サイトでは「クリス・デービスが連続無安打記録を61打席に伸ばす」とのタイトルでレポート。デービスが打席に立つたびに「オリオールパークは同情と応援の歓声で包まれる」と本拠地の異様な雰囲気について伝えている。
デービスは記事の中で「(スタンドからの応援には)本当に感謝しているよ。ここ最近の試合で、終始送られる励まされるような応援が送られているんだ。ブーイングが大半ではないことも分かっているし、僕を応援してくれるファンの人たちには本当に感謝しているよ」「この現状を一人で抱え込もうとすればするほど、状況は難しくなる。(自分が辿ってきた)プロセスや現在の努力を信頼しないといけないね。この先どこかのタイミングで形勢は変わることになるよ」と話している。8回に打席に立つ際には、スタンディングオベーションもあったという。
一方で、野手の「61打席」というのが、とてつもなく長い期間であることも確か。MLB公式サイトの解析システム「スタットキャスト」専門のデビッド・アドラー記者はツイッターで「クリス・デービスはここ61打席で無安打である。イチローはかつて、2004年の7月24日から8月5日にかけて61打席に立ったが、その時、彼は33安打を放った」とデータを紹介。2004年といえば、イチローがシーズン262安打という伝説的なメジャー記録を打ち立てた年。後半戦は圧倒的なペースでヒットを積み上げていたが、今回のデービスとは同じ61打席で「33本差」の結果を残していたという。
デービスは長いトンネルからいつから抜け出せるのか。かつて本塁打と打点の2冠王に輝いた強打者のバットにかつてとは全く違う形で注目が集まっている。
(Full-Count編集部)