日ハム有原にエースの貫禄 12球団トップ防0.41「調子が悪い時でも…」
ロッテ戦で7回4安打1失点と好投 2勝目を挙げてチームの3連勝に貢献
■日本ハム 3‐1 ロッテ(14日・札幌ドーム)
日本ハムの有原航平投手が14日、本拠地ロッテ戦で7回4安打1失点と好投して2勝目を挙げた。
4回までは1安打無四球とほぼ完ぺきな投球だった。5回1死から鈴木に右越えソロを許し、今季20イニング目で初自責点。続くバルガスに四球を与えたが、ここで踏ん張った。
「1点で粘っていれば、チャンスがあると思いました。切り替えて何とかゴロを打たせようと思ってゲッツをー取れたので、そこは良かったかなと思います」。藤岡を狙い通りの二ゴロ併殺打に仕留めた。味方の援護がない中、6回は1死二塁、7回は無死二塁のピンチを切り抜けた。その裏に味方が3点を奪って逆転し、2勝目をつかんだ。
昨季は打たれるとテンポが単調になり、連打される場面があったが、今季は違う。「去年よりは冷静になれているのかな。少し時間をおいて、相手を見て投げるようになっているのかなと思います」と好調の要因を自己分析する。高橋憲幸投手コーチも有原の精神面の変化を感じ取っている。「ベンチに戻った時の表情が去年とは違う。去年はずっと険しい表情で、常に気持ちが入っていたけれど、今はスイッチの入れ方、抜き方がいい方向に出ているじゃないですか」と指摘した。
この日も味方攻撃時にはベンチで田中賢介と並んで座り、談笑していた。有原は「何を狙っているとか、バッター目線のアドバイスを送ってくれて助かっています」と今季限りでの現役引退を決めているベテランに感謝する。防御率0.41は12球団トップ。22投球回もリーグ1位タイだ。「こういうピッチングを続けていくことが大事。調子が悪い時でも試合をつくって、7回、8回と投げたいです」。静かに語る15年の新人王にはエースの貫禄が漂い始めた。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)