よき野球選手、よきスポーツマンに… 新潟県高野連がスポーツマンシップ講演会を実施

「球数制限」を導入予定だったが、「有識者会議」に検討を委ねることに

 日本には(1872明治5)年に伝わった。野球のルールの精神は「お互いが楽しくプレイできる」ことであり、ルールは「事例集」だった。ルールブックに書かれていなくても「お互いが楽しくプレイできないこと」はすべきではないが、日本では「法律書」のように解釈する人が多く「サイン盗み」などルールの抜け穴を探すような行為は、この解釈からきていると説明した。

 高校野球では最後の勝利者はただ1校であり、半分の学校はただの1度も校歌を歌えないままに終わる。重要なことは野球を通して「人生の勝利者」になり「人生のスコアボードに名前を残すこと」「社会のレギュラーになること」。甲子園がすべてではなく、ゲームを尊重し、社会生活では許されないことをやらないように指導する必要がある。「社会に出る前にスポーツで釈迦のルールを学ぶ」ことの必要性を訴えた。

 さらにスポーツに必要なものは、Integrity(品位)、Discipline(規律)、Respect(尊敬)、Justice(正義)であり、特にIntegrity(品位)が重要であると強調した。

 野球先進国日本は、世界へベースボールを普及する役割を果たすべきとし、小山氏もタンザニアでの普及活動を行っている。野球の原初の「20のルール」で普及活動を行う中で、野球の原点が何であったか、何が野球の魅力だったかに気付かされることも多かったという。小山氏は最後に、渋沢栄一の「夢七訓」を紹介して講演を締めくくった。

夢無き者は理想なし

理想無き者は信念なし

信念無き者は計画なし

計画無き者は実行なし

実行無き者は成果なし

成果無き者は幸福なし

ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず

 新潟県高野連は、この件春季大会から「球数制限」を導入する予定だったが、日本高野連との話し合いの中で、導入については「有識者会議」に検討を委ねることとなった。新潟県高野連の富樫信浩会長は「『球数制限』は、スポーツマンシップの考えから導入を考えたもの。そのことを踏まえ、県内の高校野球指導者に、今一度スポーツマンシップを理解してもらうために、今回の講演会を行った」と目的を語った。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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