「あれが今年のポイント」 日ハム有原の女房役が語る昨季との“変化”とは
有原はホークス戦で7回無失点で無傷の4勝目 12球団トップ防0.51で月間MVPへ大前進
■日本ハム 4-0 ソフトバンク(28日・札幌ドーム)
日本ハムの有原航平投手が28日、ソフトバンク戦(札幌ドーム)に先発。7回2安打無失点と好投し、ハーラーダービートップに並ぶ無傷の4勝目を挙げた。防御率0.51は12球団トップ。抜群の成績で3、4月度の月間MVPに大きく前進した。
8勝5敗と不完全燃焼に終わった昨季から大変身した。5試合全てでコンビを組む石川亮は、この日有原が投げた1球に今季の変化が凝縮されていると証言する。7回無死二塁で、打席に松田宣を迎えた場面。2ボール2ストライクから内角のツーシームで詰まらせ、二直で併殺に仕留めた。石川亮は「あれが今年のポイント。あの場面でもインコース投げられたことが今年の変化です。次につながる1球」とうなずいた。
昨季は内角球の要求に首を振ることがあったという。「デッドボールやフォアボールを出すと、リズムを崩すので、球が強いなら外で勝負しようとなりましたが、長いイニングを考えたらインコースを生かさないといけない。一緒に試行錯誤しながらそのことに気が付きました」と石川亮は振り返る。
あまり得意としていなかった内角球を最初は投手有利なカウントで要求し始めた。「首を振らずにしつこくインコースに投げてくれています」と少しずつ段階を踏み、昨季12打数6安打と打ち込まれていた松田宣に対して勝負所で投じた1球で大きな階段を上がった。
今季初対戦で相手打者に内角球の強烈なイメージを植え付けた。「調子が悪くなった時に生きると思う。絞られないために、1つにこだわらない攻め方を継続してやっていきたい」と石川亮。息ぴったりのバッテリーがチームに再び貯金1をもたらした。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)