元DeNA久保所属のメキシカンリーグで“飛ぶボール”問題 「投手にとって苦難の1年」
ボールの中身に入っているゴム製のボールの弾む高さが…
実際にボールを分解してみると、中身の違いが飛距離に影響していることが推察できた。ローリングス社製のボールとフランクリン社製のボールの中には、ともに直径約4センチほどのゴム製のボールが入っているのだが、これを同じ高さから床に落とすと、弾む高さがフランクリン社製の方がより高いのだ。
このゴム製のボールの中にはコルクのような材質のものが詰められていたが、ローリングス社製のものの方がより湿気があって、密度も高い。一方、フランクリン社製のほうが乾燥しており、より反発力を受けるのではないかと推測できる。
また、ゴム製のボールの外側は、フランクリン社製のものは毛糸でくるまれているだけだが、ローリングス社製のものは紫色のカップで包まれており、このカップがあることで、バットからの力が吸収されている可能性もありそうだ。
16チームを南北8チームずつに分けて行われるメキシカンリーグでは、約半数の球団の本拠地が高地にあり、気圧が低いため打球が低地よりも飛ぶことから、高地は打者天国と言われている。これに加え、今年はボールが変わったことで、さらに打高投低に拍車がかかりそう。久保は「去年はメキシコでプレーしてないので違いは分からないが、高地は確かに打球が飛ぶ。ただ、ボールの条件はどのチームも同じなので、早く慣れて打たれないようにするしかない」と話しているが、今年のメキシカンリーグは例年以上に投手にとって大変な場所であることは間違いなさそうだ。