日ハム渡邉、今季で引退の先輩・田中賢介へ抱く思い「安心していただけるよう…」
10日の西武戦では6回に逆転の3号2ランを放つなど猛打賞
■日本ハム 7-5 西武(10日・札幌ドーム)
日本ハムの渡邉諒内野手が10日、本拠地・札幌ドームでの西武戦で逆転の3号2ランを放った。
先発の上沢が、西武の中村に逆転満塁弾を許した直後に値千金の一発が飛び出した。1点を追う6回無死一塁で西武・多和田の初球の内角直球を強振。打球は日本ハムファンが待つ左翼席に飛び込んだ。「上沢さんが苦しんでいる面があったので、逆転された直後に逆転し返したことをうれしく思います」。今季初めて上がった札幌ドームのお立ち台で渡邉は胸を張った。
打席に立つまで送りバントのサインを予想していたというが、実際に出たのは「打て」のサイン。栗山英樹監督の期待を意気に感じて、初球から直球に絞ってしっかり振ることを心がけた。「甘いところにきたところを一発で仕留められた。期待された分、しっかり結果で返せて良かったです」と笑顔で振り返った。
2回には直球を中前に弾き返し、5回にはフォークを右前に運んで今季初の猛打賞もマークした。3安打とも内角球をさばいたもの。「インコースを意識して打席に立ったわけではないですが、体が反応してくれました」と納得顔だった。
東海大甲府高からドラフト1位で入団して6年目。昨季は自己最多の60試合に出場し、今季レギュラー奪取に懸ける思いは強い。「去年あれだけ出させてもらって、結果が出ないと信用がなくなるので」と必死だ。
もう一つのモチベーションは、今季限りで引退する田中賢介内野手の存在。「『まだ俺がやった方がいい』と思われないように、安心していただけるように。恩返しして送ってあげたい」と誓っている。当面の課題は調子の波を少なくすることだ。「日よって違うので毎日続くようにしたいです。技術的にも精神的にも」と語った渡邉。様々な経験をしながら一歩ずつ着実に前進している。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)