西武山川の打撃フォームを分析 名スコアラーが重ね合わせた2人の強打者
元巨人、2009年WBC侍ジャパンチーフスコアラー三井氏が語る山川のすごさ
西武の山川穂高内野手が好調を維持している。3.4月は打率.271、26安打、11本塁打、31打点で月間MVPを受賞。12日の日本ハム戦では通算321試合目で100号アーチに到達した。秋山幸二(元西武)の351試合を抜き、日本選手では史上最速となった。元巨人で、2009年WBC日本代表のチーフスコアラーを務めた三井康浩氏が山川の打撃を分析。そのすごさを語った。
三井氏は山川が1軍で出始めた頃から交流戦対策として、データや打撃フォームをチェックしていた。
「(1軍の枠に)入ってきた時からバットを振る力が強いイメージがありました。年を経ることによって、ボールもすごく飛ぶようになりました。ですが、変化球に弱いという印象もありました。なので、どのように対応をするかを見ていましたね」
しかし、それはもう“昔の話”。近年は、変化球をマークしながら、あらゆる球種、コースに対応。打撃の幅は年々、広がっている。
「プロでも甘い球を一発で仕留めるのは難しいですが、山川選手は一発でとらえられる。それがホームランの数につながっていると思います」
打率は.283、19本塁打、47打点(5月19日終了時)。三井氏は打率の高さに驚いている。
「本塁打は納得できますが、率は2割4分か5分のバッターという印象だったので、すごいですね」
なぜ、本塁打だけでなく、率も残せるのか。打撃フォームのスタンスにポイントがあった。
「山川選手のスタンスは、他の打者より狭いです。そこからバッターボックスをフルに使うくらいの広いステップで打っていく。肩幅より狭いスタンスは、目線のズレが少なく、ボールに入っていきやすい。それがボールを一発でとらえられる率につながっていると思います」