元G助っ人が営むアカデミー 徹底した球数管理、日本と異なる育成方針「25歳でベストに」

ゴンザレスアカデミーの施設【写真提供:色川冬馬】
ゴンザレスアカデミーの施設【写真提供:色川冬馬】

寮や食事などの環境が整えられている一方で、16歳までに契約できなければ帰される

 アカデミーは選手をプロの舞台で活躍させることが1つの目的だ。日本における中高生の年代にあたる選手であるが、日本と同世代の育成としては少し目的と方法が異なる。例えば試合であっても、投手の1日に試合やブルペンで投げる球数は管理され、選手の投げ過ぎを防いでいる。

 この取り組みを行う意図について、色川氏は「アカデミーでは選手が25歳でベストの選手になるように育成が行われています。そこに向けて逆算して指導をしているので、この日は各投手25球で代わっていました。ワンプレーごとの勝負は真剣ですが、チームの勝利が優先か? と言われればそれだけではないのです」と説明する。

 また、選手がプレーに集中できるように寮や食堂、トレーニング室などが完備されており、野球選手になるための環境が整えられている。その反面、16歳までにMLB球団と契約できなければ、帰宅しなければならないという厳しい現状もある。

 日々が競争と言える環境に色川氏は「選手は良い環境下でプレッシャーがかかっているので、やるべきことをやるのは当たり前。アカデミーから契約していく選手もいるので刺激的な場所ですよね」と話す。突然の訪問となったアジアンブリーズだったが、プロ契約に向けて大きな刺激を受けたことだろう。そして、待ち受けるプロ球団との試合に臨むのだった。

(豊川遼 / Ryo Toyokawa)

RECOMMEND